「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」15巻の数々の激戦と成長譚~今巻の主人公はカイ!ジオンの諜報員・ミハルとの邂逅…子供達に自身の兄妹を重ねてカイのガンペリーに同乗してしまうミハル~

前回までのあらすじ

フラウアムロが水浴びをしているところ、ヤシマ・シュウミライは演説を聞き、なんだかんだ皆戦争がしたいのだと嘆きます。船に乗るセイラも演説を聞き物思いに耽り、レビルがジオンに兵なし!我々は必ず勝利する!と宣言します…

カイの退艦とミハル

アイルランド北部ベルファスト港でWBを目撃したミハルは情報を伝達、シャアは水中からマッドアングラーを浮上させ、自ら確認に行きます。港に着いたWBから降りるカイミハルから押し売りに遭い、体よく断ります

レビルに謁見するWBクルー、「大反抗作戦」の先鋒を担うものとして尚一層の奮起を期待したいと激励されます。カイはトイレに立ち、一生をあんなやつらに捧げるのはごめんだと呟きます。結局半舷上陸にかこつけてカイはWBを降りると街に出ます。倒壊した街で再びミハルに逢ったカイは、流れで彼女の家に行く事になります

敵艦の乗員と接触したと連絡が入り、シャアミハルが優秀な諜報員だと褒め、ゴッグに乗るカラハの無鉄砲さに呆れます。ミハル宅には弟と妹がおり、カイは休ませて貰うと言いつつ、弟達に監視されよく仕込んであると感じ、ミハルの持ち物に銃もある事にいやだねえと呟きます

シャアは先述のゴッグに加え、配備されたゾッグに乗りWBに攻撃しようとします。ガンダムはまだ整備が整っていなく、アムロは出撃出来ません。ゴッグが上陸しますが、ガンタンクの砲撃で一旦海に沈みます。カイも遠くから戦況を見守っています

ミハルは他の諜報員と接触し、WBに潜り込めと指令を受けます。対空防御が飛躍的に上がったWBに喜ぶブライトスレッガーにジムで防衛行動に出るよう指示、カラハからの映像でガンダムではないと悟ったシャアはゾッグをボラスキニフに譲ります

ミハルは家に戻るとカイはもういなく、弟達に大金を渡し、仕事で出掛けなくてはならないと抱きしめます。カイは葛藤しながら、ガンタンクの戦いぶりが見てられないとWBに向かいます。戦闘のどさくさに紛れてミハルはWBに侵入します

ミハル、WBに侵入

カイは見かねてWBに戻り、ガンキャノンで出撃します。カラハは上官の言う事を聞かず再浮上、ガンタンクの後ろを取り、拡散メガ粒子砲で始末しようとしますが、更に後ろからカイに頭部を撃たれます。カメラ等なくても!と粋がるカラハでしたが、空振りしカイにコクピットのみ破壊され逝きます

セイラから暗号指令が入電されたと聞き、ブライトは次の目的地は「ジブラルタル」と悟ります。ミハルはWBの行先を突き止めるためブライトの部屋に侵入、するとカイが現れ、呼びつけたのにいないとはどういう事だと愚痴ると机の下に隠れたミハルを見つけます

カイは自室にミハルを招き、アムロに目撃され誤魔化します。カイは再度ブライトに呼び出され、喝を入れられ自室に戻ると事情を察してミハルにジブラルタルで降りてベルファストに帰れと話します。ジブラルタル海峡で地上の覇権を左右するオデッサでの戦いの前哨戦が開始されます

WBに航行中被弾した民間機が発着、乗っているのはブーンです。シャアはグラブロにゾッグとズゴックを牽引させ水中を進ませます。WBに侵入したブーンはトイレからミハルに連絡、ミハルはWBの行先を告げ上出来と褒められます。カイは民間機がジオン側だと悟り追いかけようとしますが、WBが海中から攻撃を受けます

MAにMS2機を確認、スレッガーは再度ヒコーキで爆撃したいと進言、出撃します。下が海の為ガンダムはガンペリー(カイ操縦)に乗せ出撃となり、ミハルが一緒に行くと言って聞きません。消火をしていた子供達を見て自身の兄妹を重ねたミハルは自身の愚行に気づき、戦わせてくれと懇願します

ガンペリーのミサイル発射口に行ってしまうミハル

スレッガーは的確な爆撃をしますが効果は薄いです。カイは巧みに射撃手を降ろしミハルをガンペリーに乗せます。ウォンの爆撃はズゴックの右腕を破壊しますが、逆にゾッグに攻撃されやられます。アムロは揺れるガンペリーでは射撃出来ないとし、グラブロが浮上してくるとその真上に飛び降ります

ガンダムは水中に引きずり込まれ、右脚を掴まれ身動きが取れません。カイは一人で射撃もこなし2発不意にし、最後の一発を絶好のタイミングで発射ボタンを押しますが、接触不良のようで発射されず、ミハルは下の安全レバーを外せば…とミサイルの発射口に向かいます

更に絶好のタイミングが訪れ、ミハルが発射ボタンを押してしまい、爆風で吹き飛び命を落とします(ミサイルはズゴックに当たり大破します)。ガンダムは右脚を壊されながらも却って自由に動けるようになり、ビームサーベルを突き立てグラブロを仕留めます

帰艦後ミハルがいなくなった事を悟り、カイは一人泣きじゃくり、ミハルの影に死んじゃなんにもならねえ!とぶちまけますが、ミハルは間が悪かった、もう誰が悪かった等言いっこなしさと笑顔でいなくなるところでこの巻は終わります

まとめ

今巻はカイが主人公と言っても良い内容です。待遇や軍のやり方に不満のあったカイは一旦WBを降りますが、そこでジオンの諜報員のミハルと出逢います。ミハルには幼い兄妹がおり、かいがいしく育てているのです

結局ガンタンクの戦いぶりが見ていられずカイはWBに戻りガンキャノンで出撃、戦果を上げます。そのどさくさに紛れてミハルがWBに侵入、シャアに行先はジブラルタルだと伝えてしまいます

WB内で再度落ち合うカイミハル、その中で子供達の姿に自身の兄妹を重ねたミハルカイのガンペリーに乗り一緒に戦うと懇願、カイは渋々連れて行きます。射撃手がいない為カイが操縦しながらだと大変で、ミハルが気を利かせて発射口近くに行ってしまいます

絶好のタイミングとなり、ミハルは深く考えず発射ボタンを押してしまい、爆風で吹き飛ばされ命を落とします。しばしの邂逅でお互い惹かれるものもあった二人の突然の別れにカイは涙します。基本的に皮肉屋で気まぐれなカイですが、今回の事が彼を大きく成長させます

カイの回と言っても差し支えないくらいの内容でした。16巻ではどんなお話が待っているでしょうか?

おまけ

THE ORIGINはアニメ映画化もされています。主に1stガンダムでは描かれなかった独自要素(回想)をメインとし、全6話構成となっています。第4話は「運命の前夜」で、シャアララアの邂逅や、人類史上初のモビルスーツの死闘等が描かれます

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