前回までのあらすじ
キシリアはレビルと接触するなら今しかないとし、総攻撃が始まる前に決断するようデギンに迫ります。デギンはグレート・デギンで出艦し、キシリアは秘密裡にギレンに「公王陛下がゲルドルバ照準に向かわれた」と打電します…
ソーラ・レイ発射
ワッケインはブライトにこのア・バオア・クーとジオン本国で戦力が2分される中、ここは重要な局面だと檄を飛ばします。キシリアはシャアを呼び寄せ、全ての筋書きはシャアの復讐として思い描いていた通りになってきていると話します
キシリア機関として内偵を進め、シャア・アズナブルに入れ替わり復讐を遂げようとしているのがキャスバル坊やだと分かり、腹が立つというよりかわいいじゃないかと言うのです。シャアはガルマの件は却って虚しくなったと言い、今はニュータイプの時代が来るなら見てみたいと答えます
ギレンはレビルと接触しようとするデギンを老いたなと笑い、ソーラ・レイの発射準備を進めます。ギレンは敢えてその接触ポイントに照準を合わせ発射、大艦隊は壊滅し、アムロは「あれは憎しみの光だ、あれは光らせてはいけないんだあ‼」と叫びます
半数の敵を壊滅させたギレンは「敢えて言おう!カスであると‼」と檄を飛ばし、ジオン側は盛り上がります。WB周りも大混乱の中、本艦を基点に残存艦艇を集結させる為動くなと指示が入ります。再結集した艦艇に後方に待機していたトーゴ中将麾下の遊撃部隊が合流します
シャア陣営も出撃態勢に入り、喧噪の中ララアを見つけ、いよいよ実践だと奮い立たせキスをします。ブライトが戦略を思案する中、アムロは鋭い指摘をし、カイに「ニュータイプの勘ってやつかい?」とからかわれ「はい」と答えます
地球のゴップ元帥は軍議で勝算は五分五分と話し、今や総指揮を執るワッケインに作戦を説明させますが、首脳陣は懐疑的です。今は亡きレビルとデギン接触の動きにも触れ、真相は定かではないが、今後政治家の出番があるかもしれないと話します
ニュータイプ同士分かり合いかけたのに…
WBにもジムの増加装甲タイプが一機回され、セイラが乗り込みます。ブライトはセイラの複雑な立場を考慮しても尚連邦軍兵士としてのキミを必要とする、母国と白兵戦で戦えるか?と問い、セイラは「喜んで」と答え、この船に乗って初めて皆と一緒の仲間になれたような気がすると話します
ブライトはMSパイロットにこれが最後の戦い、肝は艦隊戦ではなくMS戦で、如何にギレンの司令部の在る最深部に食い込めるかだと檄を飛ばします。突撃艇パブリクの縦深攻撃後、MS戦となります。アムロは先鋒として戦いに挑みます
ア・バオア・クーに一機でも多く取りつく為に各機が奮闘する中、ララアはビットによるサイコミュ攻撃で戦果を挙げ、アムロは「トンガリ帽子」か?とビットを破壊、エルメスに近づきます。シャアは決着を付ける時だと言い、ララアはアムロに「あなたが来るのが遅すぎたのよ、あなたを倒さないとシャアが死ぬ」と更に攻撃してきます
しかしアムロは完全に覚醒しており、ビットの軌道を全て読み破壊しますが、ララアはアムロは故郷も家族も愛する人もいないと蔑み、アムロは逆ギレします。ララアとアムロはお互い共鳴し、二人だけの空間を作って分かり合いかけたところでゲルググが急襲、ビーム薙刀の2刀と近接戦となります
アムロは盾の使い方が巧みで、上手く斬撃を避けるとその隙間からビームサーベルを突き立て、シャアもこれまで…というところでエルメスが間に割って入り、ララアは逝きます…。散り際分かり合った二人の束の間の邂逅を経て、シャアのゲルググは逆上して襲って来ますが、あべこべに右腕を失い、今の私にはガンダムは倒せんと離脱します
シャアを追うセイラ
セイラはシムスのブラウ・ブロに遭遇、大型MA相手に奮戦し倒してしまいます。ジムは操縦不能となり、コアポッドで脱出します。激しいMS戦が展開される中、セイラはシャアの赤いゲルググが漂っているのを見つけ、コアポッドで追いかけるところでこの巻は終わります
まとめ
ザビ家とシャアの様々な思惑が飛び交う中、停戦交渉に持って行きたかったデギンはレビルと接触しようとすると、キシリアからその報を受けていたギレンは無情にもそのポイント目がけソーラ・レイを発射、連邦艦隊は壊滅的打撃を受けます
実の父親殺しをも実行したギレン、そして父を裏切ったキシリア、最後に笑うのはどちらでしょうか?シャアもキシリアにはキャスバルである事はバレていますが、今は復讐よりニュータイプの時代が来るなら見てみたいという気持ちの方が強いようです
最終決戦となるア・バオア・クーは艦隊戦というよりはMS戦・後半は白兵戦がメインとなり、ララアのエルメスも奮闘しますが、導かれるようにアムロが現れ、反目しつつもニュータイプ同士でしか分かりえない共鳴を生み、シャアは嫉妬して割って入ります
覚醒しているアムロの敵ではなく、あのシャアもいよいよ…というところで、ララアが身代わりとなり逝きます。アムロとララアは分かり合い、出逢うのが少し遅すぎたと話すこの共鳴シーンは独特かつ幻想的で印象に残ります
連邦のMS総出でア・バオア・クーに取りつく中、セイラはシャアのゲルググを追い奥深くに入って行きます…いよいよ佳境、22巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
おまけ
巻末にはTHE ORIGIN累計1000万部突破記念、「THE ORIGIN誕生の現場に迫る」というレポートが記載されています。安彦良和先生始めスタッフとの知られざる制作秘話が読めますので、こちらもチェックして下さい
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