前回までのあらすじ
セイラはここで何とシャアと遭遇します!言い合いになりますが、ミライが来たため、喧嘩別れとなり、ぼんやりとしたセイラにミライは疑問を感じます…
過去の回想~ダイクンの死と遺児の行方
マチルダが命を捧げたWBを身体を張って守ったウッディについてミライは「男の人ってそんな感じ方…するのよね」と共感します。アムロはズゴックの戦いぶりからシャアが帰って来たと感じます。そこにスレッガー中隊が今日付けでWB配属となったと現れ、セイラに男の事で悩んでいる相が出ていると話します
ここから長く過去の回想が始まります。U.C.0068、サイド3ムンゾ自治共和国では議会でダイクンが倒れ、幼いアルテイシアは突如父を失います。母のアストライアはデギン・ザビにダイクンの後事を託されたため頼って欲しいと言われますが、ジンバ・ラル(ランバ・ラルの父)は懐疑的で、むしろ事を起こしたのはザビ家だと進言します
ランバ・ラルはアルテイシア達の護衛を任され、荒れる聴衆の中進めなくなりますが、キシリアの活躍で難を凌ぎます。サスロ・ザビ(ザビ家の次男)はダイクンの遺児をみすみすラル家に奪われたと怒りキシリアを殴り、ダイクンの死を連邦の暗殺だと世論操作しているのも彼のようです
ダイクンの葬儀が行われ、帰りの車内でサスロはドズルの目の前で爆死、名目上ラル家の仕業と新聞に取り上げられます(キシリアはこの事でにやけています)。ラル家でこの事で揉める中、アルテイシアに愛猫(ルシファー)を探して来て欲しいと言われ、ランバ・ラルは救出作戦を敢行します
デギンはギレンやドズルにランバ・ラルの優秀さから、逃げ道を作ってやれと寛容です。ダイクンもジンバ・ラルも過去の人になった、ザビ家のみがこれからの歴史に責任を負うのだと宣います
ランバ・ラルは変装しハモンのいるクラブへ赴き、そこでタチと押し問答をし、クランプがバーテンを務める店内に入ります。ランバ・ラルは父とアストライア達を地球に逃がしたいと持ち掛け、ハモンはその伝手があると自信気です。タチがドッキングベイに配属されているので利用出来るというのです
アストライアがダイクンとの過去を思い出していると、キシリアがキャスバルに合わせろと現れ、ジンバ・ラルが困っている中、キャスバルは颯爽と出向きます。キシリアは凛としたキャスバルに圧倒されながら、ダイクンの子として自宅に戻るよう告げます
キャスバルはサスロの事はもういいと言うけど、父を殺した事はどうなる?と逆に問いただし、キシリアは取り乱しキャスバルを抑え込み、声一つ上げなかったと手錠をしてしまいますが、キャスバルはそれすら外せと子供ながらに豪胆です
大人びたキャスバルの豪胆さ
キシリアはキャスバル畏るべしとギレンに報告しますが、ギレンはダイクン家の処置については十分考えてあると冷淡です。アストライア達は屋敷に戻ると、ローゼルシアがおり、二人は言い争いになり、ローゼルシアは同士としてダイクンの側にいたのに子供を産めなかっただけであんたみたいな商売女に負けなきゃいけないの!と取り乱します
薬を飲んだローゼルシアは特別に今晩だけは一緒に過ごすが良いさと言い、アストライアを塔に幽閉してしまいます。この情報を掴んだハモンはランバ・ラルに報告、遺児を連れ出すなら今だとけしかけ、ジンバ・ラル共々地球へ脱出させる算段を付けます
アストライアは塔で二人に先に地球へ行くよう促し、アルテイシアが荒れるので、月が100回丸くなったら私も向かうと約束し、ぐずるアルテイシアを寝かしつけます。翌日塔にガンタンクに乗ったハモンが現れ、二人を連れて行くと言い、勘の良いキャスバルは従い、母と別れます
雇った運転手と若干揉めたもののハモンは気丈で、更にランバ・ラルとの連携プレイで道路を上手く塞ぎ、キシリアはザビ家に反抗しようとする者達の陰謀だと息巻きます。他のガンタンクに道を塞がれた中、上部コクピットのキャスバルは臆せず引き金を引き、ガンタンクを破壊します!
これには流石にハモンも驚き、キャスバルの仕業だと勘づきます。大騒ぎとなり、煙に乗じて3人はガンタンクから脱出します。そうとも知らずガンタンクを破壊しようとする連邦側にドズルが説得に向かいますが、ギレンは静観していろと冷静です。結局連邦側はガンタンクを破壊します
その後ランバ・ラルの車でハモン達3人を拾い、かねての手筈通りとなります。ジンバ・ラルと遺児二人は貨物コンテナに潜み、タチの危なっかしい助けもあり(笑)、何とかドッキングベイを進みます。そこにキシリアが現れ、今回は見逃してやるとし、ランバ・ラル達は連れて行かれます
ダイクンの遺児、コロニーを脱出!
船は無事出発し、コンテナ内は無重力となりキャスバルは教わった通りだと冷静です。ハモンが母と同じ匂いがしたアルテイシアは母の事を託し、宇宙から故郷のコロニーを見てこんなところだったのか!と驚きます
そこからは太陽も見え、キャスバルは生物の全ての根源がそこにはあったと語ると、青い地球も見え、青くてきれいだけど人間達はあれを汚してしまったのでスペースノイドはあそこを追われ、父はあれを甦らせようと戦ってきたのだと話します
更に月が見え、満月には見えない月が丸くなるの?とアルテイシアが不思議に感じたところでこの巻は終わります
まとめ
今巻から今まで語られる事のなかったシャア=キャスバル、セイラ=アルテイシア達の過去についての長い回想が始まります。ダイクンという大物政治家が亡くなり、様々な陰謀論が流れる中、その意志を受け継ぐ形となったのがザビ家です
デギンはともかく、ギレンやサスロといった策士の多いザビ家はこれに乗じて政治的優位に立とうと振る舞います。やや昔ながらのジンバ・ラルと対し、残された遺児の扱いで両陣営は揉める訳ですが、ギレンは以外にもあっさり静観を決め込み、キャスバル達は地球へ脱出します
まだまだ幼いアルテイシアには酷な話ですが、月が100回丸くなったら会いに行くというアストライアの言葉を信じ、兄とジンバ・ラルと共に人間のルーツ・地球へ向かうのです…THE ORIGINで明かされるこの真実が、ガンダムという一大戯曲をより華麗なものに彩ります
既に肝の据わった兄と、まだまだ幼い妹、どんな経緯を経てあのシャアとセイラとなったのか、興味深いですね!10巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
おまけ
THE ORIGINにはガイドブックが3巻刊行されています。漫画の世界をより興味深く彩る副読本として秀逸ですが、ガイドブック巻末にはオリジナルの漫画がついており、後に23巻で本編が終わったTHE ORIGINの外伝的な位置づけで24巻が刊行された訳です
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