前回までのあらすじ
リョーマのスマッシュを物凄い気迫で返した跡部ですがラケットは弾かれ、何とリョーマは「破滅への輪舞曲」まで模倣し4-4とします。青学メンバーに後押しされ、リョーマが気張ります…
極限の試合を制したのは…!?
跡部がタンホイザーサーブを決め4-5とするとすかさずリョーマが追い上げ5-5とし、両者一歩も譲らずの攻防が続きます。鉄壁の守備で持久戦にもつれ込ませ相手の弱点を突き崩すのが跡部のプレースタイルと思われてきた中、榊は跡部がゲーム感覚でそういったプレーをしていただけで、本来は超攻撃型テニスだと断言します
ついに5-6と勝ちに近づく跡部が圧倒するかに見えましたが、ここで何と照明の柱が壊れ、コート上に落下、その隙を突いてリョーマが死角から加点し、帽子を放り投げ威嚇、落下した照明を撤去した後もリョーマが優勢、6-6のタイブレークに突入します!
言語不要の超絶技巧の応酬は非常に長引き、何と89-89という凄まじいスコアにまで拮抗します。唯我独尊の2人がお互い我が校のチームの勝利の為に全てを賭けて戦います。ついには両者共に力尽き、90秒以内に次のプレーを始めないと相手のポイントになる極限の状況です
大声援の中、先に起き上がったのは何と跡部で、勝負あったか?と思われた中、リョーマは今までの数々の先輩達からの教えを思い出し、ついにはギリギリで立ち上がり、ツイストサーブを放ちます!跡部は反応出来ず、何と立ったまま気を失っているのです!
118-117とし、更に20秒が経過しゲームセット、トータルスコア7-6でリョーマがこの苛烈極まる接戦を制し、青学は準決勝進出です!リョーマは約束通り跡部の髪をバリカンで刈り、跡部の髪型がどうなったかはコミックスのリバーシブルカバー(もしくはコミックス巻頭)で確認出来ます
不動峰を圧倒する四天宝寺
桜乃がおにぎりを作って来て、皆で食べますが、折角二人きりになってもリョーマは相変わらず素っ気ないです。そこに遠山が現れ、更にローラースケートで泥棒をした男が横切った為、リョーマは植込みを避けるカーブを掛けた打球を放ち、同時に遠山が直球で植込みをぶち抜き、泥棒に両方当たり退治します
遠山は桜乃の作ったテニスボール型のおにぎりが地面に落ちたのに美味しいと食べ、四天宝寺の一員として不動峰と対します。乾はリョーマが東の超新人とするなら遠山は西の超新人だと分析、このちょっとの間に遠山は戻って来て、何と不動峰の伊武をあっという間に棄権に追い込んでしまったのです
遠山は自チームの応援そっちのけでリョーマと野試合でもいいから勝負したいと聞きませんが、白石が腕の毒手(その手に触れし者は死に至る)を見せようと包帯を取るので、仕方なく遠山は応援に行きます(笑)神尾のスピード、石田(弟)のパワーを更に上回る強さを見せる四天宝寺は強いのです
石田(弟)はバックハンドでノーステップの波動球を放ちますが、忍足は速く、追いつき返球、それを神尾が音速弾で返し、石田(兄)は至近距離で上手く返しますが、そこを石田(弟)はスマッシュし、石田(兄)のガットを突き破る凄まじさを見せます
不動峰側が覚醒したかに見えましたが、何と四天宝寺側はパワーアンクル等重しを付けてプレーしており、それを外す余裕すら見せます。4-0と圧倒した四天宝寺に万策尽きた不動峰ペアは棄権を選択、2敗と後がありません
無我の境地の奥の3つの扉
シングルス2ではかつて九州で凌ぎを削った千歳と橘が今は大阪と東京代表として対します。千歳は獅子楽にいたはずですが(手塚の回想‐33巻参照)、今は四天宝寺なのです。橘は目は治ったのか?と問い、以前橘が相手選手の右目を怪我させたのは千歳の事でした
橘は責任を感じ、父の転勤で東京に行く契機にテニスを辞めると決意しますが、その後千歳が大阪でテニスを始めたと聞き、不動峰で新テニス部を興したという経緯です。まず千歳が立海・丸井の妙技:綱渡りを見せますが、橘はそれを拾い、千歳がスマッシュ、何と橘は右目で受け、「けじめたい」と律儀です
試合は橘が1-3でリードし、千歳は橘の猛攻撃「あばれ獅子」が全く衰えていないと感じます。ここで千歳が反撃の「神隠し」(消える魔球)を見せ追い上げる中、橘は超ライジングで返球、ところが「神隠し」はサーブでだけではなくラリーでも使え、千歳が4-5まで追い上げます
千歳は無我の境地には奥に3つの扉があると語り、手塚の百錬自得の極みがその一つだと言うと、この試合で自分も扉を開けると豪語、オーラに包まれ、「7打目…」と予告すると、橘の「あばれ獅子」を「神隠し」で対応、橘の返球はネットに掛かり、予告通り7打でポイントを決めます
次は6打目とまた予告し、これが「才気煥発の極み」なのです。不二は頭脳の働きを活性化させ次の予測が瞬時に出来イメージが湧くと分析します。まるで将棋のプロが何手先で詰むのか分かるように…マッチポイントで12打と予測し、橘は「あばれ球」を放ちますが、それすら返し、千歳が7-5と勝利します
無我の境地の最後の3つ目は開かずの扉:「天衣無縫の極み」だと判明したところでこの巻は終わります
まとめ
苛烈を極めたリョーマと跡部のシングルス1の戦いは、タイブレークが長引き、両者全く引かず最終スコア119-117という凄まじいものでした。拮抗した、一瞬も油断できない極限の試合を制したリョーマは、立ったまま気を失った跡部の髪を口約通りバリカンで刈り上げてしまいます!
西と東の超新人と言わしめる遠山とリョーマの対決が期待される中、前哨戦の不動峰戦で四天宝寺は圧倒的強さを見せます。青学すら苦戦した不動峰の猛者を次々倒すと、因縁の二人:千歳と橘の対決になります
橘は千歳の右目を怪我させてしまった事をずっと悔いており、自ら打球を右目で受ける事で借りをチャラにします。千歳は無我の境地の奥の3つの扉について語り、ついに自身はその一つ:「才気煥発の極み」に達します
手塚が操る「百錬自得の極み」、そしてもう一つ、まだ誰も開けたことのない3つ目が「天衣無縫の極み」だと判明します…最早超人じみてきたテニスの王子様、36巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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