「テニスの王子様」36巻の数々の激戦と成長譚~準決勝シングルス3、堅実かつ正確な白石のテニスに不二大苦戦…覚醒し新たな必殺技をあみ出し挽回も、最終的な勝負の結末は意外なものに~

前回までのあらすじ

次は6打目とまた予告し、これが「才気煥発の極み」なのです。不二は頭脳の働きを活性化させ次の予測が瞬時に出来イメージが湧くと分析します。まるで将棋のプロが何手先で詰むのか分かるように…マッチポイントで12打と予測し、は「あばれ球」を放ちますが、それすら返し、千歳が7-5と勝利します

無我の境地の最後の3つ目は開かずの扉:「天衣無縫の極み」だと判明します…

白石の完璧なプレースタイル

四天宝寺が勝ち上がり、準決勝で青学と当たります。ここでなんと千歳が急に退部する事になり、手塚に「天衣無縫の極み」を会得しているのは侍南次郎、それに最も近い男は息子のリョーマではなく遠山だと断言します

竜崎が悩みに悩んだオーダー、シングルス3:不二VS白石、ダブルス2:海堂桃城VS小春一氏、シングルス2:河村VS石田)、ダブルス1:手塚VS忍足財前、シングルス1:リョーマVS遠山と決まります

準決勝が始まり、会場の屋根が上がります。不二は全国で初シングルスという事で、温存した事もあり期待が持たれます。対する白石は昨年立海大付属戦では出番が回って来なく、部長でシングルス1だったという事でその実力は未だ謎に包まれたままです

まずお互い左右に揺さぶりを掛けて行きますが、白石は難なく返球、前に出ると軽いドロップで先制します…全く無駄のないプレーなのです。基本に忠実であるが故の完璧なテニス、思わず白石は「んんーっ絶頂」と口ずさみます

では…と不二が消えるサーブを放ちますが白石は華麗に返球、今度は不二がドロップショットで返すと強打し0-30とします。このまま不二を圧倒する白石はトータルスコア0-3と全開です。白石不二を挑発し、三種の返し球を引き出し、不二は「つばめ返し」、「白鯨」と連打します

ところが「白鯨」のボールが戻って来たところを白石は巧みに打ち返してしまい0-4です。完全に流れは白石で、遂には0-5まで追い詰められ、ここまで…というところで不二は「蜻蛉包み」を披露、しかしこれも白石に返されマッチポイントです

不二試合中に覚醒!

満身創痍で立ち上がれない不二でしたが、コート際にリョーマが降り立ち、「本気でやってよ」と声を掛け、不二は復活します。ここに来てガムシャラになった不二は15-40と返すと、白石が止めを刺そうと狙って来ますが、不二は「このチームを全国優勝へ、それがボクの願い」と踏ん張り30-40とします

1-5とした不二に流れが来て、今度は「つばめ返し」かと思われたそれは「鳳凰返し」で地を這うように深く沈み込みとても白石は返せません。続いて「羆落とし」かと思われたそれは「麒麟落とし」で軌道が異なります。仕舞いには「白鯨」と見せかけて「白龍」と全て新たな三種の返し球を決めてしまいます!

これで2-5とした不二白石以前千歳に青学で怖いのは手塚より予測のつかない不二だと言われた事を思い出します。不二は試合中にも進化しており、ついには第5の返し球「百腕巨人の門番」で白石の返球はネットを越えません

白石、「百腕巨人の門番」を攻略

白石はトップスピンやスライス、ロブと色々試みますが、全てネットを越せず、技術は互角ながら、不二には今まで見られなかった勝利への執念が垣間見えます。ついには5-5の同点にまで追いついてしまった不二、完全に形勢逆転です

未だ攻略出来ない白石ですが、徐々に返球がネット上方に届きつつあります。不二は逆に以前手塚から四天宝寺で怖いのは千歳より白石だと言われていた事を思い出します。ついには6-5と逆転しますが、確実に白石の返球はネット上方へ向かいつつあります

白石はついにコードボールを放ちますが、惜しくも不二側には返らず、40-0と不二王手です。ところが完全に「百腕巨人の門番」を攻略した白石がコードボールで連続返球し食い下がります。この究極のせめぎ合いは、最終的に「白鯨」がアウトとなり6-7で白石が制します

もう一つの準決勝:立海大付属VS名古屋聖徳戦では名古屋側が2回戦から選手を入れ替え、全員外国人留学生のチームで挑むところでこの巻は終わります

まとめ

今巻はほぼ全編準決勝シングルス3:不二VS白石の対決となり、不二ファン大歓喜な訳ですが、完璧で隙のないテニスをする白石が序盤猛攻、不二得意の三種の返し球も効かない圧倒的優勢となります。天才型の不二に唯一足りないものは勝ちへの執着、リョーマに声を掛けられた事もあり、不二はチームの全国優勝の為にここから奮起します

崖っぷちから何と新たな三種の返し球をあみ出した不二の勢いは止まらず、仕舞いには第5の返し球「百腕巨人の門番」で逆転してしまいます。流れは完全に不二でしたが、白石は堅実に、確実にコードボールを返せるように修正し、この極限の試合は白石がものにします

不二は人気キャラで、イケメンかつ必殺技も多く派手な印象もありますが、メンタル面ではどこか達観した、冷めた一面があり、ここが手塚との違いでした。リョーマに煽られ勝ちへの執念を燃やした不二の善戦は、敗れはしたものの確実に青学メンバーに伝わった事でしょう

緒戦を落とした青学、ダブルス2での戦いに期待しましょう!37巻ではどんなお話が待っているでしょうか?

おまけ

テニスの王子様をパロディ化したトリビュート企画の4コマ漫画作品として放課後の王子様というものがあります。基本的にはギャグ漫画で、内容はテニスの王子様の登場人物の知られざる一面を見せる日常ものとなっています

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