「ゴールデンカムイ」9巻のアイヌ文化と食と金塊争奪サバイバル~杉元・土方、結託してキーパーソン・熊岸を探す…白石執念の恋の行方は!?偽装されたコタンだと一早く気づくアシリパ~

前回までのあらすじ

月島は偽刺青人皮を鶴見中尉に託し、江戸貝が「鉄」と言っていたと話します。鶴見中尉は手袋で鉄瓶に触れ、タンニンが「鉄」に反応し黒く変色するため偽物の見分け方の事だと悟ります…

白石の恋

土方と鉢合わせし裏で情報を流していた白石が焦る中、杉元のっぺらぼうとの繋がりについて問い詰め、土方は手を組むか殺し合うか選べと豪胆です。新八も現れたところでアシリパの空腹が限界になり、家永も現れ皆でなんこ鍋(モツ鍋)を食べます

尾形も仲間な事を危惧する杉元ですが、家永は偽物の見分けを得意とする熊岸を推挙し、月形の樺戸監獄へ行く事になります。その前に手がかりを探しに剥製所を検分していると、二階堂が襲って来ます!尾形は狙撃に好ましいポイントに陣取り、階上から狙います

玄関には土方が待ち構えますが、装填中に侵入され、二階堂と組み合います。尾形も他の兵と揉み合いになりますが、杉元が救います。二階堂杉元がいる事に気づき気が散ったところを土方に斬られ、右足を失います

何とか建物から脱出した一味はこのままでは目立つため、土方・新八・白石・キロランケ・家永組と杉元・アシリパ・牛山・尾形組で別れて月形に向かう事になります。杉元はなるべく痕跡を残さず追跡を免れようとします

アシリパはヤマシギを罠で捕まえ、杉元は脳ミソを美味しく頂きます。例によってチタタプし、肉団子にしオハウとし、こちらも美味です

樺戸監獄にゆかりがある新八から突破口を見出す土方白石は脱獄王の異名がついたのは熊岸のせいだと言い、あんな恋などせずに済んだのにと意味深です。ここから白石の昔語りが始まります

幼少から悪さばかりしていた白石は樺戸監獄でも目を付けられていました。白石は看守に検診され、脇の下にコガネムシを隠しており、警戒されつつ脱獄するぞと逆に脅します。脱獄の極意を語る白石熊岸紙幣贋造で無期徒刑)は興味を持ち、絵が得意だと言うので春画を描いて貰います

シスター宮沢という美しい修道女の絵はさほど上手でもなかったのですが、徐々にその絵にハマり、ついには恋をして脱獄する事にします。白石熊岸は協力して合鍵を作ってしまいます。密告があり白石は独房に入れられますが、鍵は偽鍵で、白石は巧妙に合鍵を隠し、嵐の夜脱獄します(クワガタに鍵を隠していたのです

白石は情報を集め前橋監獄だと突き止め捕まりますが、シスター宮沢はいませんでした…白石はここでも激ヤセする事から突破口を見出しまた脱獄に成功します。今度は金沢監獄まで行き、捕まっては脱獄を繰り返し、秋田・京都・埼玉と行き渡り、最終的に日本一厳重な網走監獄へ収監されます

そこでついにシスター宮沢らしき修道女を見つけますが、下手だと思われていた熊岸の絵は実は非常に忠実だった事が分かり、白石の恋は終わります(笑)

巧妙に偽装されたコタン

今度は新八土方との昔語りをします。かつて樺戸集治監にいた土方の事を黙っていた天獄の犬童をなじる新八は、裏手口から土方と扉越しに話し、「バラガキ」「ガムシン」と呼び合った仲でした。先に着いた新八達は熊岸が既に死んでいる事を知り、犬童に恨みがある土方は網走でお礼参りもいいなと言います

谷垣インカラマツチカパシも彼らの後を追っています

杉元達は樺戸手前のコタンで檻に大きくなり過ぎた熊がいて驚きます。アイヌの民家に入るには色々としきたりがあり、杉元は手順良く進めます。住民に挨拶をしていると唐突にアシリパはオソマに行くと言い、熊が気になり見に行きますが捕らわれます

アシリパは死んだはずの熊岸に会い、村人がアイヌ人のフリをしている事を見抜きます。アシリパは熊への処遇や作法の不出来、ムシオンカミ(礼拝をあざける言葉)の意味が分からなかった事から疑念を抱きました。熊岸は彼らが樺戸監獄を集団脱獄してきた囚人でアイヌの村を乗っ取り潜伏していると言います

熊岸はここで鈴川に監禁され偽札を作っていると言います。一方杉元達も徐々に住民の素性が気になりだし、杉元はある道具の使い方を問い、そこでつい住民は日本語を喋ってしまいます。その事から杉元達は偽装に気づき大立ち回りを見せます

杉元・尾形・牛山と手練れが多いため一掃しますが、牛山は弾みで熊の檻を壊してしまいます

偽物の見抜く鍵は独自のこだわり!?

アシリパは男が探していた熊岸だと見抜き、一緒に来て欲しいと請います。杉元アシリパを助けに来て、熊岸に銃を向けると、後ろから矢が飛んできて熊岸に当たり苦しみます(矢には毒があります)。ヒグマは人を襲い、偽村長を殺し、上裸には刺青があり脱獄囚だった事が分かります

牛山はヒグマと組みし投げ、川岸まで落っことし、そのあまりの強さにヒグマは逃げて行きます。瀕死の熊岸は自身がそうであるように、剥製屋にもこだわりがあるかもしれないと言い残し逝きます。結局偽アイヌ人のほとんどは杉元が殺してしまいました。その凄まじさとアシリパへ優しく接する変わりようにアシリパは唖然とします

月形・土方組では鶴見中尉の罠が判明した事とそれを使ってお互い駆け引きをしなければならず、結局脱獄王・白石に頼るほかないという結論に至りますが、白石土方への内通が杉元にバレて惨殺される夢を見て飛び起きます

ここにいてはいずれ杉元に見つかると危惧した白石がこっそり土方達から逃げようと建物から出ると、そこに多くの兵士がおり、白石だとバレていたところでこの巻は終わります

まとめ

目的の一致した杉元・土方は結託し、偽刺青人皮と見抜くために熊岸という男を探す目的で樺戸を目指します。熊岸とは面識のある白石は途方もない恋の行方話をしますが、春画一つで妄想し、その人物に巡り合うために脱獄しまくるという執念が凄まじいですね(笑)

二手に別れた杉元達は、あるコタンで様々な異常からそれが偽アイヌ人の偽装だと気づきます。アイヌには様々な作法があり、特にアシリパはその違いを一早く見抜き、彼らが脱獄囚である事に気づくのです

探していた熊岸もそこで見つけますが、不運にも熊岸は命を落とします。手がかりは偽物を作る者にはその人独自のこだわりが必ずあるという事でした。偽刺青人皮の正確な見分け方は結局分からず、土方組は網走監獄に行きのっぺらぼうから直接話を聞くために脱獄王・白石に頼るほかないという結論に至ります

白石は以前土方と通じていた事が杉元にバレて殺されないか危惧しており、逃げ出すと兵士に見つかります!この複雑怪奇な金塊争奪サバイバル、見事出し抜くのは誰でしょうか?10巻に続きます…

おまけ

ゴールデンカムイのアニメⅡ期はOP曲がさユり×MY FIRST STORYの「レイメイ」、ED曲がeastern youthの「時計台の鐘」となっています。どちらもゴールデンカムイの世界観を見事に表現した熱い名曲になっておりますので、こちらもチェックして頂きたいです

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