「鬼滅の刃」18巻の数々の激戦と成長譚~鬼滅の刃史上最も泣ける猗窩座が鬼になった理由とは!?想像を絶する憎悪が今作品の根底=’’復讐’’に繋がる~

前回までのあらすじ

かつて父が技を極めると’’透き通る世界’’が見え始める’’領域’’まで行き着くとし、九尺はあろう巨躯の熊を斧の二回斬りで頸を落とし、炭治郎に見取り稽古をさせてくれたのです

炭治郎は’’透き通る世界’’の領域に自分が達したことを悟り、これを使いこなして猗窩座に勝つと決心します…

猗窩座の人間時代の過去とは…!?

猗窩座義勇を圧倒し、義勇の振り下ろす刃を側面から殴り折ってしまいます。猗窩座義勇に腕を突き刺そうとすると、何と炭治郎が寸でのところで腕を斬ってしまい、’’透き通る世界’’に入ることで猗窩座の探知している’’闘気’’を閉じた状態で狙えるのです

身の危険を感じた猗窩座は「術式終式 青銀乱残光」で百発の乱れ打ちを放ち、瀕死の義勇炭治郎のように死ぬことはないと言いますが、炭治郎は生きており、気配を消して背後にいます。炭治郎はわざわざ今からお前の頸を斬ると宣言し、闘気の消えた炭治郎は「ヒノカミ神楽 斜陽転身」で猗窩座の頸を斬ってしまいます

猗窩座炭治郎が求めていた’’至高の領域’’・’’無我の境地’’に達していると感じ、頸を繋げようとしますが、義勇が折れた刀を投げ頸は崩壊を始めます。しかし体は崩壊せず、炭治郎は強烈な蹴りを喰らい失神します。義勇はすかさず「肆ノ型 打ち潮」を放ちますが傷はすぐ再生してしまいます

体力の限界が迫る義勇、ところがここで猗窩座の手を引く女の影が現れ、回想が始まります。猗窩座は人間時代狛治と呼ばれ窃盗ばかりしており、これは病弱の父親のためにしていたことだったのですが、父は頸を吊ってしまい亡くなります。一人になってしまった狛治慶蔵に見い出され、病弱の恋雪と共に暮らすことになります

人間が鬼になる…その壮絶な理由

恋雪は体が弱く、いつも謝ってばかりいました。狛治は看病に慣れており、世話をしますが、恋雪がめそめそ泣くことが憂鬱でした。慶蔵は素流道場を引き継いでおり、門下生は増えない中、狛治は稽古と恋雪の看病で心を救われます

三年が経ち恋雪は元気になり、何と慶蔵から道場を継いでくれないか?恋雪もお前のことが好きだと言っていると言われ驚愕します。人生をやり直せるかもしれないという淡い期待が膨らむ中、外出した隙に井戸に毒を盛られ慶蔵恋雪は死んでしまいます

自分の未来をうまく想像できなかった恋雪は希望を見せてくれた狛治に夫婦になって欲しいと請い、一生あなたを守ると約束したのに、口先ばかりで何一つ成し遂げられなかった…激昂した狛治は単身隣接する剣術道場を襲撃し素手で六十七名を惨殺してしまいます

放心する狛治鬼舞辻に見い出され鬼になり上弦の参にまでなるのです。炭治郎猗窩座の頸が再生しかけているため、ド根性で殴り、義勇を連れて攻撃圏外に逃げようとすると、猗窩座は「破壊殺 滅式…」を何と自分自身に放ち、完敗を認め、父や慶蔵から優しく諭される中、鬼舞辻にこれで終わりなのかと叱咤されます

ところが恋雪にもう十分だ、元の狛治に戻ってくれて良かった、おかえりなさい、あなた…と言われ、猗窩座は消えて無くなります。猗窩座の死は即両陣営に伝わり、童磨は悲しんだふりをしますが、カナヲ童磨が何も感じていないことを悟っています

相容れない両者はついに戦闘に入り、童磨の扇をギリギリ避けると一閃して童磨の腹を斬ってしまいます。童磨カナヲしのぶより実力があるのかもしれないと感じます

カナヲの窮地に伊之助助太刀!!

肉親を殺された憎悪からカナヲは激しい怒りに震えます。「花の呼吸 伍ノ型 徒の芍薬」の九連撃を放ちますが、童磨も「血鬼術 枯園垂」で応戦、更にカナヲは「弐ノ型 御影梅」と畳み掛け、目が良いことに気づいた童磨は目潰しを狙います

何とか避けたカナヲは「陸ノ型 渦桃」で素晴らしい体幹を見せ、童磨は「血鬼術 凍て雲」から「血鬼術 蔓蓮華」、更には「寒烈の白姫」と連発します。あまりの苛烈さに近づけないカナヲの頭上から「冬ざれ氷柱」が放たれ、辛うじてかわします

いつの間にかカナヲは刀を奪われ、「血鬼術 散り蓮華」の激しい攻撃に得意の目の良さで見極めて対処しようとすると、突如伊之助が現れ、「伍ノ牙 狂い裂き」で防ぎます!しのぶが殺られたことを悟った伊之助は完全にキレ、「肆ノ牙 切細裂き」で苛烈に攻めます

伊之助は素早く、カナヲの刀を取り戻すと壮絶な斬り合いを演じ、明らかに間合いが遠い中斬りつけ、当然届かないかに見えましたが、何と童磨の目を斬り、その柔軟な体から「玖ノ牙 伸・うねり裂き」を放っていたのです。ところが童磨伊之助の猪の面をいつの間にか奪ってしまいます

童磨伊之助の母(琴葉)のことを知っており、伊之助の出生の過去が明かされます。母親と仲間を殺した鬼が目の前にいることを悟った伊之助が地獄を見せてやる‼と気張るところでこの巻は終わります

まとめ

今巻の猗窩座の人間時代の過去は鬼滅の刃でも屈指の泣けるエピソードとして人気が高いです。人間が鬼になるということはそれ程強い憎悪があったからというのは今までも描かれていましたが、狛治が一時期人生をやり直せるかもしれない…と感じる程ハッピーエンドに向かっていた話が一変します

詳細は話間にも語られていますが、隣接道場の者から逆恨みされ、井戸に毒を盛られ愛する二人が殺されてしまうのです…狛治の怒り度合は想像を絶するものがあり、六十七名を素手で殺してしまうという苛烈極めるものでした

鬼舞辻に見い出され鬼になり、上弦の参まで上り詰めた猗窩座、単純なヒール役から、こんな壮絶かつ同情の余地がある過去があったのかと思うと、何とも言えない心境になります。もし今巻がアニメ化されたら、鬼滅の刃史上最も壮絶かつ涙を誘う回となることでしょう

カナヲの窮地を伊之助が救い、ここでもしのぶ琴葉の死への憎悪から、鬼滅の刃の根底のテーマに’’復讐’’があることが分かります。19巻ではどんなお話が待っているでしょうか?

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