前回までのあらすじ
まいけるに”あげの稽古”をお願いし朱音は落語はタイムマシンだなってと面白い気付きです。時を越えて仕上げた”替り目”を極め選考会当日を迎えます。満員札止めで配信も500枚売れ前座のみの興行としては異例の集客です。客もスマホから審査し審査員3名+配信・会場の観客が各20点の計100点満点で高座を審査します
声優も兼ねるひかる有利な展開、一番手はぜんまい・演目は「強情灸」です。手応え上々ですが得点は75点と伸びません。学問は辛く龍若と真逆のコメント、求められるのは総合力で一剣も人が悪いです。こうなると気になるのは次の演者の評価、伏兵=嘉一が笑顔で不気味です…
元優秀な営業マンの嘉一の落語
朱音はぜんまいを労い点のバラけ方に憂慮します。元優秀な営業マンの嘉一は喋りで数字を上げて来た男だけに「金明竹」で基本に忠実、すると空気を読んでくすぐりを畳み掛けます!あくまでお客様の笑顔を優先し数字を優先するんなら営業を辞めた意味がないと闇も見せます
見せ場で言い立てを畳み掛け”高座”は”商談”へと様相を変え鬼に金棒です。「コレが最高だ‼」と言える商材が欲しかった嘉一は人生を懸けるに足る商材=一生に出会ってしまい、龍若は稽古の上に溢れるサービス精神に自分を貫く芯の強さを感じ、学問はここまで客に尽くせる男も中々いないと評します
得点は91点と高評価、嘉一はチョー気持ちいいと古いです(笑)嘉一は自分が幸せじゃなきゃ家族を幸せになんか出来ないとし、朱音は志ん太に重ねます。次のひかるは朱音を呼び出し、可楽杯の悔しさを糧にずっと精進して来てあかねに勝つ為に落語家になったのと凄みます
落語家と声優の二刀流のひかる
一剣は声優の仕事を疎かにせず落語も学ばせひかる半端な覚悟じゃ出来ない決断です。一剣は頃合いだと単調なやりとりの稽古を忘れ持ってる武器を活かそうと仕向けます。ひかるは役ごとに声色を切り替え演じ誰が喋ってるか分かり易く、画面越しでも面白さが伝わり配信対策もバッチリです
学問は“聞いて解る”=単純だが伝わり易さはそれだけで武器になると落語家の世界で”邪道”と謳われた芸=”八人座頭”を操るひかる、登場人物が多い程噺を追うのが難しくなる中声色が変わればそんな不幸は無問題だとぜんまいです…声優だから成せる技です
根っからの負けず嫌いのひかるは対等に競い合える声優・落語で朱音に勝つ‼と演目は「花見の仇討ち」です。からしは写真集でやれやとひかるいい表情です。点数は93点で暫定1位となり朱音は前の2人が私が選ばなかった道とし、私が選んだのは…と志ん太を想います
配信で志ぐま達も見守る中この高座はあかねにとって落語家としての分水嶺になり得るかもしれんと期待します。おっ父の魔法に魅せられた朱音は演目「替り目」であの若さで演るには難しいものの学問は不似合いな噺も難なく出来る演者として懐の広い子と評します
落語は英雄譚じゃないと達した朱音
落語家としての腕は一番も前の二人に比べるとインパクトに欠け、まいけるは自分の芯に向き合った時間の差で朱音はスタートラインに立ったに過ぎないと期待します。あくまで志ん太の魔法に魅せられた朱音に志ぐまは今のお前に志ん太はどう見える?と問います
落語家になって色んな人に出会い強い気持ちをぶつけられおっ父の”仁”と向き合い志ん太は弱い人だった、強くないからこそあたたかくてやさしい、おっ父の弱さが好きだったんだと悟ります。志ぐまは落語は英雄譚じゃない、弱さも武器になり得るとし、それもまた人の味だと朱音は達したのです
江戸っ子らしい勝気さとその奥にあるあたたかな情に一人の人物を多面的に描く事で登場人物の解像度が上がり共感から観客はより深い噺の世界に誘われる…学問は前座の高座に聞き入るなんて随分久しぶりねとご満悦です。一剣はあかねの気質は一生門下向きだと感じつつ志ぐま一門らしくなったと評します
まいけるは替り目をモノにするには長所を増やす必要がありハイリスクハイリターンで自分の手で掴み取った、勝てあかねる‼と後押しし配信で観る徹が画質が悪過ぎて画面が滲んで見えやしねぇと涙する所でこの巻は終わります
まとめ
単純に落語を聞くだけでなくその落語家の背景も知る事でより深くその世界観に没入出来る事が分かる今巻、元優秀な営業マンの嘉一は得意の喋りで観客を魅了、高評価を得ます。一方可楽杯での件を未だに根に持つひかるは努力し声優との二刀流を磨き、”八人座頭”を操ります
ビジュアルもあり配信票も期待出来、暫定一位のひかる、対して朱音はあくまで志ん太の芸の事を想い自分と向き合います。志ん太の芸に魅せられた朱音は志ん太の弱さが好きだったんだと悟り、落語は人が演るからこそその人の個性が際立ち観客は魅了されるのです
敢えて「替り目」を演る事で乗り越えた朱音、今回は配信票という不利になる項目もある中、例え敗れたとしても得るものの大きな戦いになったのは間違いないです。徹が涙して娘の成長を見守る…美しい落語の世界に感動しつつ、9巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
おまけ
女流噺家のお話なので、実際この目で見て来ようと本レビュー筆者は蝶花楼桃花さんの独演会に行って来ました。全国に男性噺家は1000人程いる中、女流噺家は3~40人程と非常に珍しい様です。今あかね噺のお陰で旬な中女性であの春風亭小朝師匠に師事し真打にまでなった方です



「寄席のプリンセス」と呼ばれるその巧みな話術見事で、基本男性噺家による落語に触れる事が多いだろう中、女性のそれはまた違った味わいがあり非常に爽やかでした。ジャンプ漫画で敢えて女流噺家とした点が当たったあかね噺ですが、こういった見本となる例がある事は勉強になります
落語を観に行くのは敷居が高い部分もあるかもしれませんが、比較的小規模のホール等での公演も地方都市でも探せばあるものです。皆さんもこれきっかけに女流噺家の落語を体験してみて欲しいです!
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