前回までのあらすじ
からしは”捨て耳”として仕事中も誰かと話す時も耳だけは高座に意識を向けろと朱音水をあけられます。失敗もありつつ朱音は確実に成長しており、評価する者も要る中今昔庵りゑんの新人潰しに遭います。朝がおが詫びますが後輩なのに二ツ目として威張りその間朱音は”捨て耳”利かせてしたたかです
前座が寄席に出れんのは開口一番のみで、明日の二ツ目の出番は開口一番の後なので、見返す自信があるか?と朝がおが朱音を指名してリベンジを託します…
りゑんにリベンジ高座が噂を呼び…
前座は寄席の料金に含まれず香盤にも名が載らず興味なしって感じと悟りつつ朱音は「山号寺号」を上手い韻を踏み徐々に客を虜にしていきます。出がらしの茶を出され新人潰ししたりゑんにリベンジの韻を鮮やかにキメ、詰め寄るりゑんを禄郎が諭し朱音を認めています
朝がおは心ん中でガッツポーズ止まんなかったわと評し禄郎は”人間国宝”柏家三禄の弟子で登り竜の”麒麟児”だとし、禄郎は蘭彩歌うららに朱音の事を報告します。このメンバーで働くのも今日が最後、朱音開口一番で寄席には‷流れ”がありトリにピークを持って行くようにネタ選びにもルールがあります
ネタ被り・同じ系統の噺が続くのもダメで”根多帳”を見て自分の演れるネタを確認します。朝がおは扇子一本分間を空けねぇとダメだとし、実はあれだけやれて朱音は持ちネタ5つのみなのです!結局からしに替わって貰い彼は全て前座噺の朱音にゲームに例えて幅を広げろと諭します
誰から教わるかが重要でからしの親切に感謝し朱音は志ぐまに相談、守破離で芸を磨けとされ他所で学ぶべき時だと送り出されます
蘭彩歌うららの高座は”麻薬”
八正の「平林」で温かい空気を作っているのはその語り口です。言い立て・知ったかぶり・オウム返し・ワイガヤ以外の前座噺を学びたい朱音にとって「平林」は”無筆”で最適です。八正に頼むと丁重に断られ先日のりゑんを見返す為に落語を使った事を気にしているのです
良治はこの10日間朱音の出番は無いとりゑんと揉めた事が噂になっており朱音困ると禄郎が助け舟です。禄鳴会のチラシを見せられ前座を希望するとネタ下ろしの会なので新ネタを希望されます。すると寄席に”大看板”で主任で今一番売れてる女性落語家=うらら登場です!
付き人のまゆらは大荷物で手際良くうららをもてなし皆師匠を見る目が変で言葉を欲して止まないようなーと朱音ぞわっとします。うららの高座は”麻薬”と言われ彼女は朱音の諍いを知っており袖で観てなさいと気に入りわがままな生き方の手本を見せてあげるとします
八正もおり”女性に落語は出来ない”という定説は悪しき歴史だと逆境の時代を勝ち抜いて来た傑物の背は会場物凄い熱気から一瞬で熱を冷まします。演目は「お茶くみ」で八正は女性に落語は出来ないと豪語した名人=蘭彩歌しゃ楽が声を掛けたのがうららだと評します
登り竜の”麒麟児”禄郎の高座
遊郭を舞台にした廓噺は天下一品のしゃ楽は”天朱廓”と呼ばれ同じく”師資不祥のしゃ楽”で誰一人弟子入りを認めませんでした。見初めたしゃ楽は”自らの芸の真価を見た”と評します。うららの高座は噺の情景と客席の状態が重なっておりあの”妖艶”さは聞く者をより深い廓の世界に沈める武器として芸に昇華してます
これが”地獄大夫”と呼ばれる廓噺の名人=うららです。終演後うららの打ち上げに連れられた朱音は例のイジメについて聞かれ人の不幸をつまみに飲むのが好きなのです(笑)ネタについて何とうららが教えてあげようかと提案、”厚意”じゃなく”値踏み”だと手厳しいです
”使える”と思わせる事ねと付き人となり禄郎は直弟子以外でうららから噺を教わったのは三人しかいないと値踏みされるだけで大したものなのです。禄郎は例の揉め事について朱音に好意的でそういったタイプの落語家は他にもいると元気づけます
うららは何故開口一番を彼に頼むのか高座を観て知りなさいと諭します。樫尾久々登場で朱音は記事の件で根に持っています。伝統VS変革の対局と煽りその答えは禄郎の高座だと演目は「大工調べ」です。言葉の調べが心地いい穏やかな高座でしたがコルトレーンの日は後半から煽るんだと音を畳み掛けます
禄鳴会に出る前に高座を聞けて良かった朱音、うららはこの光景を朱音に見せる為に付き人にしてくれた様で、樫尾は落語会も仲間内でワイワイ楽しむ会もあればバチバチに戦り合う会だってあり禄郎の会は後者であって欲しいと煽り朱音が気合い入る所でこの巻は終わります
まとめ
朱音はりゑんの新人潰しを巧みに高座でリベンジし痛快でしたが、この事は火種として何時までもつきまといます。ネタの少ない朱音は八正に「平林」を教わろうとしますが彼は面白く思っていなく、その後も開口一番の出番が回って来ない苦境です。このように上下関係が非常に厳しい世界なのが分かります
ところがそんな朱音に好意的な人物も居るのです!禄郎はうららに報告し彼女は気に入り自身の”麻薬”と言われる高座を袖で観させます。女流噺家として大看板のうららの妖艶さは際立っており客を虜にし圧巻の高座でまだ若い朱音にはない色気があります。うららの出自も独特でしたが、彼女は朱音を気に掛けてくれます
ネタが少なく仕入れに精を出さなければならない中苦境だった朱音ですが禄鳴会にも誘われ、禄郎は”麒麟児”と言われうららに開口一番を任される程の腕で圧倒します。小さな光の中朱音はこの苦境を打開出来るのか興味深いですね!6巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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