前回までのあらすじ
こぐまなりのエールで知る事で落語に活きる事は沢山あると朱音に期待します。朱音は岩先に江戸時代に関する本でオススメを聞き術中にハマります(笑)去年の3倍の出場申し込みで取材依頼も殺到の可楽杯、樫尾は期待の超新星登場を期待しています
一生始め実力派の審査員に司会は魁生、特別な大会になりそうです。まるで甲子園の様な雰囲気で次世代のスターオーディションでもありワクワクする樫尾、要チェックはからしとひかるで優勝候補です。声優のひかるはファンサも良く美人、目立ちますが着物の着付けを直す手際の良い朱音です
あの魁生が優勝候補に推したのが無名の女子高生=朱音で目的はあくまで歓談、誰にも負けないと気張ります。岩先にこぐま達も観に来ており、やっと”寿限無”が言葉に成ったと話していた”あかね”が華々しく高座に登場します…
可楽杯本戦へ進む8人
「寿限無」のキモは早口で喋る事じゃないと悟った朱音、400人近いお客に物怖じせず同世代の中じゃあ頭一つ抜けてます。例の名前を高速でアレンジ無しのど直球、更に息継ぎの回数を減らし予選と本戦で同じ噺を二回しないといけないのに右ストレート一本で勝ち切るつもりです
それでもからしは超絶歌上手歌手が森のくまさん歌ってる様なモンと酷評し、大昔の噺コピってるだけのヤツ俺の敵じゃないと強気です。ひかるはお茶を渡し”競合”が誰なのか悟りあらゆる面で彼女の上をいくのが主役になる為の最低条件としたたかです
この3名を含む8名が一生の待つ決勝へと駒を進めます。岩先が労い期待する中ぐりこは2人の因縁を明かします。扇子を忘れた朱音は電話で方言を喋るひかるに喜び逆にひかるはバリムカツくと対抗意識です。魁生はアレが本気なら見限るだけだと手厳しく、一生を唸らせろと煽ります
翌日ついに一生も現れ波乱に満ちた本戦の幕開けです。仕事で真幸は来れず詫び、朱音は自身の名前の意味を問いおっ父が付けた様です。審査員は人呼んで”享楽”の阿良川一剣に榊龍若、志ぐまと一生はバチバチの関係です。一生は稽古の時とは大違いで甘々審査、からしは若者に理解あるアピール臭過ぎと毒づきます
からしの改作落語とひかるの劇場型落語
からしは自慢の改作落語で勝負です。現代風の噺で彼のオリジナルだと悟る樫尾、「転失気」をアレンジし「BM」とした改作落語で可楽杯でウケる事に特化したものです。改心の出来で一生は笑えなかった、狙っている層に私は入っていないが今日一番ウケていたと絶賛し、からしは創意工夫の無ェ古典じゃ俺に勝てないと強気です
こぐまは嫌な出順だなと続くひかるの演目は「芝浜」で朱音因縁があり不利です。ビジュアルと言い客を持って行くひかる、高い演技力と感情の込もった声で言わば劇場型落語で魅了し人情噺が合っています。声優業と二足の草鞋にマネは彼女の武器はがむしゃらさと評します
一生は学生が「芝浜」を演じるべきでは無いが表現者としての能力の高さに驚いたと語り、からしと同じく好評価です。これで明らかに後は消化試合の体となり今年の可楽杯は終わったとからしです。2人は朱音の楽屋に赴き彼女の意志の強さを確認し朱音の噺を見せておいでと送り出します
役の心情に寄り添う意識=”了見”を学ばせる為の「寿限無」縛り
気負った風ではない朱音、前二人の高座を見て大会のピークを過ぎたとアウェーの空気の中懲りずに敢えての「寿限無」です。予選と比べ大人し過ぎるヌルヌル感で敢えてあっさり演っており、逆に私を観てって感じが薄い分気楽に聴けるのです。周りもリラックスして聴いておりまるで寄席みたいです
臨機応変にお客のニーズに応えた朱音、こぐまは”気働き”だと評し舞台は整います。真幸に名の由来を聞いていたのはこの高座の為で「寿限無」のキモは”言い立て”じゃなく子を想うが故に溢れた親心と説きます。ひかるは聞けば聞く程役の情景が立っていって朱音の存在が高座から消えていくと感じます
龍若はこの現象に名人クラスで稀にそう錯覚するコトを”可楽杯”で味わうなんてと驚きます。こぐまは志ぐまが役の心情に寄り添う意識=”了見”を学ばせる為に敢えて「寿限無」縛りとした事に納得します。一剣は困り彼女が師事してるのは志ぐまと悟り一生の様子を伺う所でこの巻は終わります
まとめ
こうやって漫画レビューを書いていると良く大会等の描写に出くわし、主役が真打登場とばかりに前出番の者を食っていく描写が鉄板ですが、朱音のそれは逆に痛快なものでした。からしの改作落語にひかるの劇場型落語と完全に可楽杯のピークは去った感があった中、我を出さない落語なのです
”気働き”を学んだ朱音は客の空気を読み大会特有の勝ちたいという我を出さず敢えて心地良い気楽に聴ける落語に徹する事で逆に好印象です。ジャンプ漫画だと特に強さのインフレが凄まじく苛烈になっていく描写が多い中、この朱音の立ち振る舞いは勉強になりますね!
志ぐまの役の心情に寄り添う意識=”了見”を学ばせる為に敢えて「寿限無」縛りとした意図も明白となり、苦しい「寿限無」縛りが朱音を加速度的に成長させます。今まで若者向けに軟化した総評をしていた一生がどう感じたか非常に気になります…4巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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