前回までのあらすじ
開口一番で朱音は朝がおへの恩義を語り演目は「狸賽」です。リサは落語になるとカッコつけ過ぎとせっかちで喧嘩っ早くビビりで乗り物弱く甘え上手で義理堅い…そんな朱音だから友達になったんだぞとし、ちょう朝は鍛えた”芸”にどれだけ”仁”を乗せられるかだと、本番はこっからです
変顔まで見せる朱音、端正な高座を見せるあかねが…と樫尾意外で楽屋ネタまで飛び出しなりたいのは落語家じゃなく阿良川の真打です。マジメにやってきたから今があり”守”から”破”へ、そこで垣間見える”仁”に人は惹かれその遊びが”芸”を際立たせます
落語は”仁”と”芸”が噛み合ってこそ、潮目も変わって来てちょう朝が”仁”のもう一つの効果に気付けるか?と朱音を見守ります…
朱音、落語ヴァースに没入
ここにいる全員と目が合ってると感じる朱音、”こうなって欲しい”がそのまま返って来る、今まで以上にお客さんがついてきてくれるとめちゃくちゃ気持ちいいのです。ちょう朝は積み重ねた”仁”は信頼に転じ会場をホームに変える、”芸”に集中出来ると後押しします
リサの言葉から落語の平行世界に没入した朱音、いつもより…見えると世界が広がった今落語ヴァースならなんだって出来ます!脱線もウケており俺に似ているとちょう朝、朝がおも攻め過ぎだと感じ持ち時間残り2分で畳めるか不安になります。会の進行が乱れそうです
飛ばす朱音に「ひっきし」と徹が諭し噺の筋に戻り重荷を課してしまったその苦しみが一番分かる徹、朱音は見事に持ち時間キッチリで演じ切りました。真幸は楽しいだけって感じの噺だったじゃないと徹の涙に疑問でしたが、徹はだからだよと感慨深いです
怒髪天=泰全の高座
爪痕残した朱音、楽し過ぎて一瞬披露目って忘れて暴走しかけたと反省、朝がおは朱音の最後の機転を褒め、次は泰全です。あんなに沸いていた会場が一瞬で静かになり自分の空気にしてしまいます…場を掌握したのです。その一挙手一投足を固唾を飲んで見つめる=”怒髪天”泰全の高座です
会場入りする全生、泰全はすぐ噺に入り”緊緩”で大きな笑いを生み笑える程度に抑える塩梅は流石阿良川四天王です。全生が重くのしかかる中泰全は徹のたかが落語だという言葉から揺れた私が愚かでしたと此度の件師匠に倣い我を通させて頂くと三馬鹿前座時代を思い出し感化され柄でもなく楽しそうです
前座時代思い描いていた未来通りにはいかなかったがせめてあの日の約束だけはと演目は「黄金の大黒」です。大喝采で朱音は思った通り優しい人ですねとし、三馬鹿乾杯です。怒髪天らしさの中に垣間見えたあたたかさはいつもと違う印象も披露目のお祝いムードにハマり芸の懐が深いです
朝がお二ツ目昇進披露目無事終了
楽屋で朱音に泰全は詫び推薦の件…という所で全生登場、師匠命令は絶対だとしますが朱音はこの勝負私と泰全師匠のものですと譲らず泰全も推薦を与える、一生をも唸らす”真打”に成り得ますと太鼓判です。ここで志ぐまが現れ無粋だと追い出し全生面白くありません
外でまいけるが声を掛け真打昇進試験が決まった、ウチの妹弟子ばっかり構ってないで俺と遊びましょうとけしかけます。推薦は四天王個人が判断して与えるもんだと朱音を諭し口上でちょう朝は朝がおが不器用ながら情に厚い男と評し今日はヤンキー弾幕涙目でホームもホームです(笑)
こりゃ勝てないやと会心の高座で終わり打ち上げでは酒も入り泰全饒舌・朝がお泣き上戸です。ちょう朝も続き推薦の前祝いも兼ねパーッと踊りどんちゃん騒ぎ、徹は朱音に落語を捨てた人間としてただ懐かしく悔しかったと本音を漏らし楽しそうな朱音を落語家になったなと評します
志ぐまと三禄は料亭で今日のあいつらみてえに戻れねえもんかなと語らい過去が一生を縛る限り敵わないものの先代”志ぐま”=柏家生禄の芸に朱音は似ていると評し託したくなると…後日朱音の元に兄弟子達が現れ飲み会だ、まいけるが来月破門騒動以来の真打昇進試験に挑むと亨二が語る所でこの巻は終わります
まとめ
朱音は朝がおの大事な場で躍動し落語ヴァースという身軽で自由な領域に達し楽しみます。落語の平行世界に没入し持ち時間も心配されましたが徹の機転から我に返り見事な噺の畳み方で完璧でした。ラスボス感のあった泰全の高座は”緊緩”で絶妙な塩梅、場を掌握します
貫禄の高座を見せた泰全は朱音を認め彼女は晴れて二ツ目昇進の推薦を勝ち取ります。全生の横やりが入りますが泰全は振り切り決心は固く朱音が一生をも唸らす”真打”に成り得ると信頼します。披露目は無事終わり打ち上げも盛大に、朝がおの門出を皆で祝い大団円です
伏線として全生の前に現れていたまいける、後日一門で朱音を飲み会に誘い今度は来月破門騒動以来の真打昇進試験に挑むと風雲急です。こちらも一筋縄でいきそうもなく、特に一生がまいけるの前に立ち塞がる事になりそうです…13巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
おまけ
今巻でラスボスとして存在感絶大だった泰全、私はこのようなラスボスの高座をロックフェス会場で拝んだ経験があります。風とロック芋煮会という福島を代表する奇祭で何と落語特設会場が作られ、当時日本一チケットが取れないと言われた立川談春師匠の高座を拝めました


演目は事前に「らくだ」と告知されており、約1時間フェスの締めとしてその圧倒的な高座を堪能しました。この日は亡くなった谷村新司さんのライブや出演者で野球をやったりとやりたい放題の正しく奇祭でしたが、ロックフェスで落語が楽しめるという趣向は画期的でした
奇しくも怒髪天というロックバンドも出演しておりこの巻のおまけに相応しい内容でした(笑)


このように音楽×落語のコラボ等大物出演で話題となり、伝説の一夜として記憶に残るものとなりました。当時そこまで落語に詳しくなかったので経験としては貴重なものでしたが、後々こうやって活きて来るとは、本当に人生は深いですね!皆さんも是非ラスボスクラスの高座もご堪能下さい
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