「バガボンド」5巻の数々の激戦と成長譚~宝蔵院2代目胤舜の圧倒的な強さ!!命のやりとりを経て更に強さを増す胤舜に武蔵は…!?~

前回までのあらすじ

「俺の木剣が落ちたらこいつの突きも粗くなった…俺も気を付けよう」と戒める武蔵、その闘いを陰で観ていた藤次が「見事」と手を叩きます…

宝蔵院2代目胤舜

藤次が斬りに来たというと、火事のことは知らないが、斬るというなら構わんと臨戦態勢です。「お前も俺と同じ剣でしかものを言えん男だ」と語る藤次、だらりと構えますが間合いに入って来るもの全て斬る奴と武蔵は読みます

武蔵が剛腕を振るうと、藤次が下段から一太刀入れて来ます!しかし、武蔵は咄嗟に左手の持ち手を離し難を逃れます!二人が気迫の闘いを繰り広げていると、胤舜が二人と倒れている阿厳に気づき、二人を打ち倒します

宝蔵院2代目胤舜と名のる若者は、阿厳にどうやってやられたのか聞きます。武蔵に殴られたというと、そのデタラメな闘いっぷりに興味を抱いたのか、相手に武蔵を選択します。霧も吹け、宝蔵院の僧達が出てきます。賑やかになったギャラリー、二人の闘いが始まります

ところが、武蔵以後恒例となる「質問が…」と切り出し、胤栄とはどちらが上かと聞きます。胤舜は自分が上だと答え、吉岡清十郎だけは同等の腕と認めると言います。それを聞いた藤次はいきなり胤舜に斬り掛かりますが、胤舜は避けてしまいます

さらに一太刀で吉岡の者と見抜き、後で勝負しようと言います。しかし、武蔵が「お前らは闘わねえよ、俺が倒すんだ」と強気です。武蔵は咆哮します!敵の存在の大きさにのみこまれそうになるのをかろうじて拒絶するように…

野獣の武蔵の上を行く胤舜の強さ

雰囲気に飲まれた武蔵の剣は伸びがありません。胤舜は的確に打撃を入れてきます。本調子ではない武蔵は頭を叩き気合を入れ直します。更に手に砂を持っていましたが、胤舜には気づかれており、奇襲できません

剣の勢いが増し、物凄い剛腕を見せる武蔵、野獣と闘っているようだと胤舜は感じます。「お前を倒したら俺は強いと言えるか」と問い、「そのときは天下一を名乗れ」と言われ、武蔵の意気が上がります

寝坊した城太郎老坊主宝蔵院には胤栄はもういないと言われます。2代目胤舜が天賊の才があると認めつつ、武蔵の殺気に期待するところがあると言います。城太郎はなんとか宝蔵院に到着します。そこでは武蔵が剛腕の連打で圧しているところでした!

しかしことごとく受けられているのも事実。胤舜は「一振り一振りがまるでお前の命そのものをぶつけられてるような」と呟きます。武蔵の鋭い打突をかわすと、胤舜武蔵の胸に強烈な一撃を加えます。真槍なら即死です

なおも攻撃を加える胤舜武蔵には見えていない打突もあります。下段から足払いし、勝負あったかに見えた一撃を武蔵は打ち返します。しかし、右胸に強打を受け、武蔵はしゃがみ込みます。勝負ありと思われた中、武蔵は恐怖という魔に押しつぶされるのを必死にこらえながら、胤舜に砂をかけます

胤舜の目に入り、武蔵はその隙に遮二無二攻めますが、胤舜は冷静に対処します。「お前を倒すには殺すしかないんだろ」と胤舜は、命のやりとりをすることで更に強くなれると言います

雄叫びを挙げる胤舜は、今度は武蔵の右腕を突いてきます。更に鋭い打突を繰り出しますが、すんでのところでかわす武蔵阿厳は急所を貫いたと思った刹那わずかに体をよじって逃れていると感じます。胤舜は「戦うために生まれてきたような男のまさに本能か」と呟きます

命のやりとり

藤次は見飽きたのかその場を去ります。武蔵の剣には不安と恐れしかなく、胤舜のそれは敵への好意すら感じると言うのです。器が違うと感じる藤次は、武蔵に勝負の先に何か見えるかと呟きます

武蔵伝七郎との闘いで負った傷口が開いてしまいます。恐怖で押しつぶされそうな武蔵は、不用意な打ち込みから剣を手放し、胤舜の一打を受けますが上手く避け、槍を掴んで頭突きを撃ち込みます!更に槍の一撃を加えようとした武蔵を足蹴りして倒し、「来たな!生き死にの際まで!」と壮絶な打ち込みをしてきます

最早圧巻を通り越して、恐怖すら感じる描写です!ぼろぼろになった武蔵は左手一本で尋常ならぬ殺気で攻め立てます。しかし胤舜は全てを避け、受け止め、「そうか…いよいよどちらかが死ぬのだな」と感じます

伝七郎戦の時のように半端ものの武器を投げ、最後の炎の一撃を加える武蔵ですが、胤舜は落ち着いており、なんと槍の先で受けてしまいます!命のやりとりを経て完璧な強さをこの手にという胤舜武蔵は恐怖に包まれ、再度砂を投げますが、胤舜にはかわされてしまいます

命を教わる。ありがとう武蔵」という言葉に、武蔵が戦慄するところでこの巻は終わります

まとめ

物凄い描き込みで、その緊迫感・恐怖がひしひしと伝わってくる圧倒的な描写でした!SLAM DUNKというスポーツものの描写とはまた違ったその凄まじい画力にはついつい見入ってしまいますね!

今までどんな局面も打開してきた武蔵ですが、胤舜という巨大な壁にぶち当たることになります。武蔵の圧倒的な圧・剛腕も物ともせず受け止め、実りある闘いに相手への好意すら感じさせる胤舜は最早次元が違うのです!

相手への恐怖と不安しかない武蔵の剣には、当然伸びもなく、全て受けられてしまいます。今までここまで武蔵が苦戦した相手はいませんでした。自分の存在を全否定してしまいたくなるくらいの強大な相手を前に、武蔵は絶望と恐怖を感じます

胤舜はその強さ故に命のやりとりをするまで相手と闘えず、そこが未熟だったようで、武蔵との闘いを経て、最強の道を前進します。圧倒的にやり込まれた武蔵、果たしてこのまま破れてしまうのでしょうか?続巻も読みましょう!!

おまけ

巻末の井上雄彦先生の文章は、非常に胸に残るメッセージ性の高いものになっています。唯一無二の虚空の存在である漫画家さんのその時その時の至極のメッセージ、是非味わって下さい!

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