前回までのあらすじ
タツヒコは単身ホテヘルへ出向きます。鬼瓦は盗聴で近くでいつでも踏み込める手筈になっています。下っ端を伸したタツヒコに、頭らしい若造(レオ)が「オレの親父天野修善だから!」と言うのです。タツヒコは「天野会長がケツ持ってくれんだろ?呼んでみろや」と凄みます…
地下アイドルのカスミ
タツヒコはウソだろうが本当だろうが天野がこんなコトにでしゃばる訳がないと一蹴します。盗聴していた桜井はタツヒコを利用して紋舞会もろとも逮捕してしまおうとしています
スジを通すと言い張るタツヒコの凄みに怖気付いたレオは、取り巻き達を帰らせ、盃を交わし、タツヒコに兄弟分になってくれと言います。天野修善の前でキミのように胸を張っていたい、タツヒコを見習いたいとレオは言います。警察の出番は無くなりました
馬頭と森長の元にタツヒコ、井出、レオが現れます。無事解決し、神崎レオは個人的にタツヒコの下で働くことになったと紹介します。レオは自分が天野の息子ということを黙っていて欲しいと言います
タツヒコの元に信也が現れます。信也はまたスカウトに扱って欲しい女がいると言うのです。例によって売り掛けをしているカスミという女で、200万の売り掛けと、もう一つ他店の売り掛け(ミネルバの白金の店)をしており、早乙女が担当のため信也からは強く言えないというのです
白金、早乙女と面会するタツヒコと信也、タツヒコは大きくなり、全くヒヨリません。早乙女にアンタじゃなく真虎さんと話したいんだというタツヒコ、早乙女は真虎は今海外だと言います。カスミの売り掛け返済を独占するなという言い分のタツヒコ、早乙女はオレに喧嘩売るってコトはミネルバ対バーストってコトだろとイキがります
そこに紋舞会の若頭下里が現れます。タツヒコとレオを見た下里は早乙女と白金に手を引けと言います。また、タツヒコの名前はよく覚えておくと言い残します
下里は天野にレオと会ったことを報告します。タツヒコの下についているようだと伝え、天野はタツヒコに会ってみたいと言います
カスミはなんと地下アイドルだったのです!少ないですが熱狂的な客の前でアイドルをやっている姿にレオは呆れますが、なんとタツヒコは感動してしまい、頑張れと応援します(笑)
アイドルに憧れたカスミは、22歳になり、夢破れ、ネイルサロンで働いていました。そこに白金が現れ、そこから白金の店に通うようになります。売り掛けが500万になり、返せなくなったカスミは早乙女を紹介され、身体を売るか、夢である芸能で返すかの2択から選べと言われます
カスミは地下アイドルの道で売り掛けを返すと言います。タツヒコはカスミは夢に向かって突っ走れと後押しします。レオは相手を信じるコトがタツヒコのスタンスなんだなと理解します
復讐心の塊の真虎
バーストに百塚と吉川が現れます。先日の吉川監禁の件のお礼と、別件で、山城兄弟の死の真相について話をします。神は病死ではなく部下に殺され、尊も同一人物に殺されたのではないかというのです!その部下が何故山城兄弟を殺したのか?つまり、真虎は何故山城兄弟を殺したのか?と問います
事情を知るタツヒコは「長い話になりますよ」と真相を話します。レオも含めた4人で車に乗り、どこかへ向かいます。途中百塚は関に電話を掛け、関は成田空港で真虎と会います。関は真虎を乗せ廃棄場のようなところで降ろし、そこに百塚達も現れます
吉川は真虎に凄みますが、百塚に止められ、関が口火を切ります。真虎を殺しちまうかもしんねーけどカンベンしろよなと言います。山城兄弟を殺したと白状した真虎を関が徹底的に痛めつけます。タヌキは死んじまった…オマエはそれを背負って生きろと言います
真虎の回想が入ります。山城兄弟を殺したくだりが展開されます。塩化カリウムを点滴に混ぜられ、オレで終わりにしてくれと言う神を殺し、尊に銃弾を向け、「辰巳さんの死体は人の業を超えた無残な屍だった!」と怒ります
真虎は傷ついた身体でオレを殺してくれと言います。8年間憎悪と許しの葛藤の中で生き、怒りと復讐を忘れることなく生きた真虎は、殺さないとオレは止まらないと言います。葉山とモリケンの面倒を見ているという関は、真虎の因縁について、復讐なんてものは拳イッコでぶつかってボッコボコに叩きのめしてわかんねーならさらにボッコボコにしての繰り返し、でも殺すなよと諭します
関は去り、百塚と吉川も「今日は関のカオに免じて見逃してやるが、次会う時はテメーの敵だ!」と言ってその場を去ります。タツヒコは「どんなことがあってもオレは真虎さんを尊敬してます、だから死なないでください」と言ってレオと去ります
天野への復讐をやめないだろうなと言うレオに、自分の父親なのに悪いなと言うタツヒコですが、レオは天野が死ぬとは思えないと言います。レオは真虎を尊敬しているのなら、天野の手から助けてやれと言います
回想では、馬頭が部屋に籠ってひたすらある数字が来るまで触った場所に数字を書き続けたことを真虎に話しています。辰巳の形見のライターに、最後の数字、「199641」、辰巳の死んだ日を刻み、これでオレは辰巳の死を忘れると言います。そのライターを空に掲げ、真虎が「辰巳さん…」と呟いたところでこの巻は終わります
まとめ
タツヒコの漢気に惚れたレオは、タツヒコの元で働くことになります。親の七光りと思われたくないというレオは神崎と名乗り、タツヒコについて回ることになります。しかしやはり父が紋舞会の天野ということはあまりにも強大で、どこに行ってもついて回って来ることとなります。カスミの件で下里が早乙女に手を引けと言ったのも、レオの存在あってのことでしょう
そのカスミはなんと地下アイドルということで、売れない中一部熱狂的なファンに支えられ夢を見続けています。こういった地道な活動をしている芸能関係の人もいるかと思いますが、本当に芯にしっかりしたものがないと決してやっていけるものではないでしょう、それくらい過酷な生存競争なのだと思います。今回のカスミの件はややパロディも含まれていますが、前回の売れているミレイとは対照的な活動をしているカスミという立ち位置なのでしょう
真虎の復讐心は凄まじいものがあります。関が言うように徹底的に叩きのめしたら、殺すまでもないことなのかもしれませんが、真虎を追い詰め、突き動かす程の動機とはどんなものなのでしょう?それ程凄惨な、道理を踏み外すような殺され方を辰巳はしたのでしょうか?真相が気になります。続巻も読みましょう!!
おまけ
新宿スワンの後期コミックス巻末にはクロニクル等のまとめ記事が載っています。複雑に絡み合った人間関係などが非常に分かりやすく整理されており、読むことでより深く内容を理解できるので、是非じっくり目を通しましょう!!
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