前回までのあらすじ
サクラは逞しくなった大原夫婦を見て、NICUは赤ちゃんと一緒に両親も成長させる場所なのかもしれないと上手くまとめます…
妊娠初期
後藤はつわりの症状が酷く、仕事もしているため、サクラに相談、点滴を打ち、安定期に入るまで様子を見る事になります
マキは妊娠したことをミュージシャンの彼に伝える際一緒にいて欲しいというので、小松とサクラが同席します。意外にも彼は喜び、名前も考え幸せそうです。小松は危うさを感じつつ、サクラは大丈夫だとおおらかです
土井は妊娠が分かり喜びますが、まだ5週なので、高齢ということもあり、流産の可能性も高いため(15%が42歳の高齢のため40%まで上がります)、あまり喜び過ぎないようにサクラに釘を刺されます
後藤はまともに口に出来るのがサイダーくらいで、電車の車内でマタニティマークに気づかれ席を譲られますが、倒れてしまいます。貧血で駅舎で休み、上司にも相談し、他の部下も午後から出勤等の対応を取っているため、同様に何とか仕事も頑張って欲しいと言われます
サクラはつわりの症状は人それぞれで、出来れば仕事は休んだ方が良いと告げます。上司は妻に後藤の事を話すと叱られ、後藤にやはり休めと進言します
マキは彼のライブに小松を誘い、つわりで席を外しますが、客は小松だけなのです(笑)
マタニティブルー
福山は下屋に時間外受診(6回目)で彼氏の愚痴をこぼし、下屋はうんざりしますが、サクラは何十回でも愚痴を聞いてあげるべきだと言います。水谷は生後3日の赤ちゃんが乳を飲んでくれないと涙ぐみますが、小松はそれは当たり前で、どちらも初心者、マタニティブルーとは出産前のことばかりではなく、出産後もあるのだと慰めます
加納は産後1か月、順調のようですが、赤ちゃんの事が可愛いと思えないと嘆きます。3人目の子で、やっと育児が楽になりかけていた中での妊娠で、疲れているのです。サクラはマタニティブルーではなく、産後うつかもしれないと指摘します
8人~10人がなる可能性があり、真面目で頑張り屋の女性がなりやすいのです。サクラは夫の協力と、精神科・心療内科への受診も必要と言います。早速夫に相談しようとしますが、仕事が忙しく話にならず、つい上の子に手を挙げてしまいます
再度夫にこのままでは子供を殺してしまうかもしれないとSOSを出し、夫が驚いて家に帰ると、事情を察し、妻の話を聞き、通院も付き添うと協力的になります
サクラは下屋にある患者からの感謝の手紙を見せますが、その患者は赤ちゃんを殺してしまったのだと言います。サクラはもっと患者の話を聞いてやるべきだったと悔いており、下屋にも同じ想いをして欲しくないと言います
児童相談所の虐待相談は年間7万件を超え、虐待で死亡する子供の約半数は0歳児が占めています。家族や病院の協力がないと母親は参ってしまうのです
出産から退院まで
予定日まで1か月を切った妊婦(矢沢)が破水したと勘違いし、結局尿漏れだったのですが、サクラは勘違いしても仕方ないと冷静です。出産予定日とは40週0日のことで、37週より早いと早産、42週以降は過期産と言い、その時期は胎盤の機能が落ちて来るので正産期が望ましいと言われます
矢沢の妻は自宅で陣痛が来ますが、まだ我慢出来ると様子を見ていると、本格的な陣痛が来てしまい、外回りしていた夫と同僚の土田が自宅に向かうと破水してしまっています
赤ちゃんが出かかっており、サクラは電話で救急車を呼ぶように指示、なんとその場で出産となります!サクラの的確な指示で無事出産、救急隊員も到着し、臍帯処置も施します。土田は後輩ですが、出産に関しては先輩で、それでもかなり動揺したと夫と話します
誘発3日目の稲葉は7㎝まで来ているものの、まだ産まれません。稲葉は結局帝王切開で出産し、術後矢沢と同部屋となります。稲葉の場合血栓が出来るのを防ぐため術後は早目に歩いた方が良いらしく、自身との差に矢沢は驚きます
矢沢も稲葉も赤ちゃんが産まれてから搾乳や夜泣き等でてんやわんやで参ってしまいます。現代は核家族化が進み、初産で初めて育児を経験するケースが多いのです。矢沢は赤ちゃんを産んでからまるで軍隊に入隊した気分だったと言い、退院時に戦友の稲葉と連絡先を交換します
研修医(前編)
赤西ゴローは研修医としてペルソナ医の産婦人科に回って来ます。どうやら常連の赤西産婦人科の跡取り息子のようです。内科・外科・救急・麻酔科と回り、やはり本命は産婦人科なのです。先にゴローを観ていた加瀬は、ゴローは有望株だとサクラに言いますが、加瀬はゴローが本当に医者になりたいのかと懐疑的です
今は研修医はスーパーローテートで初期研修期間に色々な科に回れて、待遇も改善され(ブラックジャックによろしくで描写されたようなものからは変わり)、恵まれた環境にあると話します
ゴローは初日が平穏に終わると思われていると、臍帯脱出で経腟分娩は無理という状況に出くわし、帝王切開助手として立ち会うことになります。下屋は手が離せない中、サクラは1分で赤ちゃんを出すとメスを握ります
一瞬の出来事で赤ちゃんは産まれ、ゴローはその手際の良さに驚きます。ゴローは筋が良く、縫合も丁寧で的確だったと褒められます。今日のお祝いで飲みに行くことになり、ゴローは例の豚足屋に連れて行かれます(笑)
産婦人科の跡取りとして早くから意識を高く持っていたゴローは、ジャズピアニストになりたかったと漏らします
ゴローは人当たりも良く、患者からも人気です。沢田が血圧が高めな事をあまり気にしていなかったら、妊娠高血圧症候群で切迫早産となってしまい、皆驚きます。ゴローが血圧が高めな事を報告しなかった件で四宮・下屋は苦言を呈し、妊娠中の女性の身体は特別なのだと言われます
傷心のゴローが帰り際街を歩いていると、妊婦が心肺停止で倒れている場面に出くわし、たまたま居合わせた看護学生が対応している中、それでは駄目だと適切な処置を施し、心臓マッサージをしながらAEDを持って来るよう指示したところでこの巻は終わります
まとめ
妊娠初期やマタニティブルーの回では、妊婦への理解と配慮について描かれています。お腹が大きくならないと妊婦として認識されない事が多いため、つわりが酷い妊婦もおり、人それぞれで、配慮が必要な事が分かります
また、マタニティブルーは産前のものと思われがちですが、産後しばらくして陥る可能性もあり、場合によっては産後うつとなるケースもあるという事も頭に入れておかなければなりません。今まで経験していなかった状況に心身共に対応出来ずナーバスになる妊婦は多いということなのです
出産予定日は基本的に40週と0日と定められていますが、その通りに必ず進むというものではなく、臨機応変な対応が求められます。今回のケースでは問題ないと思われていた中、急な陣痛から自宅出産という珍しいケースでしたが、何が起こっても不思議ではなく、本当に妊娠・出産とは予期できない事の連続なのだと考えさせられます
ゴローという新顔が現れ、ブラックジャックによろしくで世間に暴露された研修医の過酷な労働環境は現状改善されているという話で、漫画で医療ものを扱う場合、医療は日々進歩していくため、過去の情報に囚われず、常に最新の情報に更新しなければならないと感じさせます
ニューフェイスのゴローの今後の活躍に期待しましょう!9巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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