ためになる!「コウノドリ」19巻の産科医療現場の光と影~7巻に続きNICU編part2!白川の診断ミスと、患者との信頼関係の大事さ…小松の親友・武田、まさかの羊水塞栓症~

前回までのあらすじ

早見夫婦はベイビーのライブでその胎動に触れ、妻以上にベイビーのファンかもしれないと喜びます。早見は陣痛が来て、いつも以上に配慮が必要となります。夫の助けも入りますが、のんびりもしておられず、吸引分娩となり、無事出産、補聴器越しに産声を聴き、早見が涙します…

NICU part2

白川は自身の対応に満足げで、呆れた下屋は話を聞きつつ現在は救急なので、患者の退院を見送れる事が羨ましいと言います。白川はスキルアップを目指しています

井出は26週で800g、破水してしまい、緊急帝王切開となり(サクラ・今橋・工藤が対応)、また、風間はダブルセットアップ(吸引してもダメなら緊急帝王切開に移る事)になり(四宮・白川が対応)、風間は無事産まれますが、新生児仮死で、白川の手腕で蘇生します

風間の赤ちゃんは一時的な呼吸障害で、上手く自力で肺に酸素が行き渡らず、新生児遷延性肺高血圧症と診断されます。肺血管の拡張を行い、順調に行けば2~3日で元気になると言われ、風間夫婦は安堵します

一方井出の赤ちゃんは非常に小さく、後遺症が残る可能性もありますが、今橋は前向きに様子を見ていこうと言います。井出はNICUに行く事を嫌がり、過去NICUで赤ちゃんを捨てた事があると言うのです。19歳の頃産んだソウタも未熟児で、予後が不安定で井出は不安になり、諦め、元夫の両親に任せて逃げてしまったのです

井出は再度産まれて来た赤ちゃんを育てる自信がないと弱音を吐きますが、今橋は受け入れ、新生児科と一緒に何度でもこの子のために一生懸命悩んで考えてあげましょうと優しく声を掛けます。風間井出は同じ病室で、それぞれの境遇を話します

白川が見立てていた病気とは異なり、風間の赤ちゃんは呼吸窮迫症候群になっている事が分かります!更に今橋が冷静に判断した結果、心臓の奇形・総肺動脈還流異常症ですぐに手術が必要だと断定します

講談大学附属病院に搬送してさらに詳しく調べる必要があり、今橋風間夫婦が不審がる白石を敢えてドクターカーに同乗させ、自身の過信が招いたこと、最後まで見届ける必要があると言います。あっさり引き継がれ、傷心の白川の前に以前ペルソナ医に勤めていた新井が現れます

新井は同じ経験があるため白川の気持ちは分かると言い、現在は他のクリニックでNICUを卒業した赤ちゃんや子供の在宅医療を手伝っていると言います。新井は赤ちゃんがNICUを出た後の事も考えるようになったと言い、笑顔を見せるので、白川は今の新井の方が好きですよと茶化します

今橋は今回の件は白川の医療ミスとまでは言わないが、風間からの信頼は失ったと話します。事実退院の際すれ違い様微妙な空気が流れます。白川今橋を呼び出し、新生児科医として成長したいと大学病院に戻って小児循環器科で研修すると話します

当然ペルソナ医にとっては痛い損失ですが、今橋は本人が決めた事だと背中を押します。自身の決意を語った白川を、下屋は笑顔で送り出します

羊水塞栓症

出産した杉浦は様態が急変、大量出血し、コードブルーとなり、亡くなってしまいます。死因は羊水塞栓症で、2~3万分娩に一例程とはいえ、妊婦が死亡するもっとも頻度の高い疾患なのです。チームも今回の件はショックで、あの小松すら引きずっています

武田夫婦の自宅を訪れ、子宮筋腫の手術は終わったものの、何と自然妊娠で出産したと昔のよしみでサクラ四宮を頼ります。武田のつわりが酷く、甘く見ていたと自戒します。夫と話をし、武田も助産師なので自分の職場で産むという選択肢もある中、小松に赤ちゃんを取り上げて欲しいのだと敢えてペルソナ医を選んだのです

回想を挟み、お互いの赤ちゃんをお互いが取り上げると誓った仲の二人、小松武田がいなかったら助産師になる事を諦めていたと言います。武田は別日に助産指導で小松に太り過ぎと指摘されます。色々とありますが、順調に進み、帝王切開の日を38週の5日と決めます

いくら助産師をしているからと言え、出産は初めての事なので、武田は緊張しています。武田のようなベテランでも、いざ自身の事となると動揺するようです。無事帝王切開で出産した…と思いきや、物凄い出血に見舞われます!

小松も動揺しつつ赤ちゃんを取り上げ、夫に見せに行きますが、オペ室はスクランブル体制で落ち着きません。今回も羊水塞栓症のようです。小松はどうしても武田が心配になりオペ室に戻ります。心肺停止になりますが、懸命の蘇生と、出血を止めるために子宮全摘をして、何とか武田は命を取り留めます

今回はオペ室に麻酔科の船越がいた事が結果的に良かったのです。小松は意識の戻った武田に気持ちをぶつけ、良かったと涙します。無事退院となり、子宮は全摘したものの、武田は自身の経験から、出産について改めて奇跡的な事なのだなと噛み締めます

小松武田の新居を訪れ、自身に家族がいないと嘆くと、武田が産科の面々の写真を見ながら小松の家族はここにいると言い、小松がそうだねと感じ入るところでこの巻は終わります

まとめ

7巻で語られたNICU編がpart2という事で帰って来ます。今巻は白川中心の内容で、自身の過信から診断ミスをしてしまうというくだりが出て来ます。非常に多岐に渡る病状・疾患がある中で、医師は的確な診断を下さなければならず、特にNICUともなると、命の危険とも隣り合わせです

担当医が診断ミスをしたとなると、今までの信頼関係は失われます。白川にも同情の余地はありますが、非常にシビアな世界で仕事をしているのだと思わされます。今回の一件で白川は大学病院に研修に行く事に決めますが、やはり自身の招いた件を反省し、前を向くための行動なのでしょう

今橋は現状白川に抜けられるのは痛手だが、本人のために送り出してあげるべきだと言います。新井下屋同様、本人の気持ちを尊重して受け入れてくれる同僚がいるというのは、ペルソナ医は良い病院だと言えるでしょう

羊水塞栓症では大量出血が非常にショッキングで、妊婦の命を奪う可能性の高い症状として出て来ます。小松の親友・武田もまさかの同様の症状で、命の危機となりますが、チームの協力で何とか命は取り留めます

小松武田の友情は固く、お互いの赤ちゃんを取り上げると誓い合った仲だけに、ハッピーエンドに終わって良かったですね。いつか逆に武田小松の赤ちゃんを取り上げる機会が訪れるのか?…20巻ではどんなお話が待っているのでしょうか?

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