ためになる!「コウノドリ」28巻の産科医療現場の光と影~緊迫する医療安全管理<後編>…突然の証拠保全に慌てるペルソナ医と、仲川の過去とは!?~

前回までのあらすじ

小野田の夫は再度サクラ磯野と面会し、丁寧に応対されますが、夫は納得がいかず、はっきりした原因が分かるまで通い続けると凄みます…

医療安全管理<後編>①

3回目の面会でも、小野田の夫は完全にサクラが悪いと決めつけ、詰問します。岡田は退院後小野田の死を知り動揺します。夫の友人が気を使って飲みに誘いますが、夫は心から楽しめず、友人は医療訴訟に強い弁護士・仲川を紹介します

病院側の落ち度を指摘する夫ですが、仲川小野田がてんかん持ちだった事と、解剖を行わなかった事を気にし、カルテを証拠保全という手続きで手に入れないか持ち掛けます。5日後までに申立書と陳述書を作成する事で合意します。仲川は勝てる見込みはないのに訴訟を起こそうとしています

必要書類が揃い、2週間後にペルソナ医に証拠保全として書類等を提出させる事に決まりますが、その事をペルソナ医が知るのは何と訪問1時間前なのです!磯野は通知が来て慌ててサクラ達に知らせに来ます。仲川始め5名が来院し、資料を集め、客観的なデータとするのです

仲川は死因についての検討会を開いたか磯野に聞き、議事録を残さなかった事を目ざとく指摘します。サクラは珍しく仕事を倉崎等に任せ、傷心のまま帰宅します。ベイビーとしてライブしますが、オンコールでもないのにライブを途中で止めてしまいます

サクラの変化に他の者も動揺します。サクラは何より患者との信頼関係を大事にして来た人物、その根底が揺らいでしまっているのです。仲川は後日書類を信頼出来る医師に見せ、医療ミスがなかったか追及する気です。夫は絶対にミスがあったのだと凄みます

医療安全管理<後編>②

四宮院長からの電話もあり、久しぶりにペルソナ医を訪れます。サクラ小野田の夫の悲しみを理解し、もう少し退院を遅くしていたら…と悔いります。サクラはしばらく現場から離れようか迷っていると打ち明け、サクラの信念を知っている四宮は強く引き留めず、ただ、辛い経験から逃げた産科医は二度と戻ってこないと釘を刺します

仲川は医療調査の結果をカラオケボックスで聞き込みします。仲川はペルソナ医に非はなかったと小野田の夫に報告します。訴えても勝てないという仲川は、自身の過去・母をくも膜下出血で亡くし、同様の経験をしていた事を明かし、小野田の夫に前向きに生きて欲しいと説きます

小野田の夫は憔悴しきり、店を閉めようか考えますが、岡田の言葉から思い直し、店を開ける事にします。訴えられなかったという事はペルソナ医に非はなかったという事ですが、当事者であったサクラ達のショックは拭えません。磯野は今後も医療安全管理者という立場から対策を練っていく、患者を救うと胸を張ります

サクラは少しずつ立ち直り、仲川小野田の店に寄り、双方が少しずつ前を向き始めていると確信します。サクラベイビーとしてライブにも精を出します

医師と助産師

小池は妊娠7週と分かり、ゴローはお酒を止めるように注意します。小池は酒好きで会社の飲み会も皆勤賞でしたが、心を入れ替え、赤ちゃんがお腹にいる事を自覚しアルコールを断っています。ただ、夫は付き合い等でお酒を断てず、小池は流れでお酒を飲んでしまい、自分を責めます

サオリ小池の気持ちを理解した上で夫にも協力して貰えるように気を使いますが、ゴローはその対応に不満で意見が割れます。小池は飲みたくても飲めない自身の事を恨みがましく告げ、ついに夫はノンアルコールに切り替え心を入れ替えます

険悪になりつつあるサオリゴローは分娩室で口論となり、サクラにたしなまれます。二人が意見し合う事は良いことだとしつつ、あくまで裏でやることだと釘を刺し、受け入れます。相変わらず患者の肩を持つサオリと医師の立場から冷徹なゴローの意見は割れますが、言い合えるのは良い環境なのだと小松が諭すところでこの巻は終わります

まとめ

医療訴訟として訴える方向にまで発展してしまった今巻ですが、調査の結果ペルソナ医に非はなく、裁判でも勝てる見込みはない事が分かり、小野田の夫も悩んだ末諦め、前を向きます

仲川は自身の経験からこうなる事は事前に予期しており、やはり病院側も常に最善を尽くしている事が分かります。医療ミス等起こしたくて起こしている病院等ないのです。その中でもどうしてもミスや予期せぬ事故というものは起きてしまうもので、トラブルにも発展しかねないため、磯野仲川のような存在が必要なのです

通常業務に加え、今回の件でサクラが憔悴していく姿は痛ましく、産科医というものは本当に責任が重く、難しい仕事である事が分かります。出産の喜びとは裏腹に、様々なリスクを抱えている事が分かる描写でした

まだまだ続くコウノドリの世界、29巻ではどんなお話が待っているでしょうか?

おまけ

不定期に巻末におまけ漫画が描いてあることがあります。賞を獲った時の裏側等作者の身近に起きた出来事が記載されており、一種の清涼剤のようで、気分転換に最適です

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