「バガボンド」12巻の数々の激戦と成長譚~鎖鎌の達人・宍戸梅軒登場!!しかし正体はなんと辻風黄平!?~

前回までのあらすじ

馬に人を乗せて道案内をしている者が、地理の説明をしています。この男も鎖鎌を見に来たのだと言うのです!男は武蔵で、強い奴に会いに行くんだと言います…

岸壁を登る武蔵

武蔵は岸壁を登っています。なぜこんなことをしているのか…少し時間を遡ります。腕試しをしている武蔵は、刀を地面に差し、鞘で片付けようとします。当然相手どもはいきり立ちますが、結果鞘で良かったというくらいの武蔵の完勝に終わります

何度か同じようなことを繰り返し、川で身体を洗っている時も襲われますが、返り討ちにしてしまいます。世の中に本物がどれだけいるというのだと憤っていると、なんと上向きに置いてあった釘を草鞋ごと踏み抜いてしまいます!これは痛い!!

武蔵は自分が未熟だと悔いります。五体が融通無碍を得ていれば踏み抜くことはなかっただろうと…足の治療をしながら、巨躯な岩山のてっぺんを見てやろうと登り始めるのです

普段の倍以上に膨れ上がった足の状態で、これが戦場だったら、吉岡との試合の日だったら負けていると自戒します。何故天下無双を目指すのか…どこまで行っても我ばかりだと石舟斎は笑います。天下無双については天下無双になってから考えると悟りを開いた武蔵は山のてっぺんまで登ります

しかし、遠くにはもっと高い山が沢山あるのです!武蔵は笑い、今の俺はこのくらいだ、伝七郎は、清十郎は、宍戸梅軒の山はどれだ?俺はどこまででも行けると息巻きます

宍戸梅軒登場!!

又八甲斐正嗣郎に馬鹿にされ、ついに刀を抜きます。しかし笑いがこみあげてきて、赤壁八十馬を斬った時のようにはいかず、デタラメに刀を振り回します。甲斐は呆れてかわします。権叔父が追いつき、付き人の寅次郎に一太刀入れますが、逆に殺されてしまいます

又八甲斐から逃げながら河原まで来ます。石が命中し、喜んでいると、先程の女の子が現れます。腰に鎖鎌を差しています。甲斐は逃げ去る少女のスピードに目を見張り、最早又八どころではありません。甲斐の隙を見て又八は逃げ出します

寅次郎は瀕死の状態で、通りかかった大男に止めを刺してくれと言います。こそが宍戸梅軒なのです!鎌で止めを刺し、「あの世などない」と言葉を残します

又八は走りながら、武蔵が自分のことを笑っているような気がしてきます。一度は印可目録を投げ捨てますが、結局持ち直し(笑)、まずは甲斐正嗣郎を倒すと思い直します

甲斐少女と対決しています。鎖鎌の技を見て、惚れ惚れしながら、腕力の差で鎖鎌を奪ってしまいます。少女宍戸梅軒だったのかと思っていると、本物の宍戸梅軒が現れます!一瞬の出来事で分銅が甲斐の頭に炸裂し、甲斐は倒れます

隠れて観ていた又八は見つかり、死体を埋めてくるよう言われます。すると、斬り合った権叔父の死体を発見します。又八おばばの身を案じます

亡霊とでも闘っているのかねえ?

おばばは熱っぽい様子で、しかも河原から足を滑らせ、川に落ちてしまいます。おつう城太郎宍戸梅軒を探していると、川でおばばを見つけます!茶屋で手当てをしていると、おばば武蔵おつうを討ってたもと言うのです!

又八は穴を掘りながら、権叔父との思い出を思い出します。おばばに反対されるのは見越して戦に行くと言うのですが、最初反対していた権叔父も、又八がこのままの自分では駄目だと奮起したところに男気を感じ、大きくなって帰ってこいと言います。又八は酒を飲み干し、男にになったんだなあと言われたというくだりです

権叔父に嘘を付いていたことを悔やむ又八は、こんなに急にいなくなるとは思わねえもんと涙します。そこに大きくなった武蔵が現れ、又八は逃げます

武蔵は腹が減り、近くの民家に入ります。そこには年老いた老婆がおり、一杯の飯を貰います。老婆武蔵が怖くないと言います。そして宍戸梅軒は死んだ、あんなのは薄汚い野党軍団の頭だったのだが、死んでから武芸者が訪ねてくるようになったと言うのです。亡霊とでも闘っているのかねえと老婆はこぼします

鳥の首を撥ねながら、少女宍戸梅軒に鎖鎌の分銅で攻撃します!しかし、梅軒には読まれており、避けられてしまい、逆に桶を壊され水をかけられてしまいます。一緒に食事を取り、同じ格好をしており、同居しているようです。梅軒には顔に大きな傷があります

自由自在の分銅の動き

梅軒の家を武蔵が訪ねると、「たけぞう」と言うのです!武蔵は男が辻風黄平だと悟ります。亡霊の正体は黄平だったのです!鎖鎌を見に来たのか?俺を殺しに来たのか?と問う梅軒に、武蔵は今さらお前を殺す理由などないと言います。歪んだ笑みの消えた梅軒を見て、お互い色々あったのだなと悟ります

鎖鎌を見たいなら表へ出ろと言われ、玄関口で分銅に襲われ咄嗟に避けます!分銅を振った少女龍胆と呼ばれ、梅軒武蔵を昔の知り合いだと説明します。龍胆は木に登り二人を見守ります

梅軒には最早武蔵への殺意はありません。鎖鎌を見たければ見せるが、殺す以外見せ方を知らぬと言います。武蔵はそれでいいと言います。梅軒は右に分銅を振ります。すると、アーチ状に分銅が動き、武蔵の鼻を直撃し、武蔵は鼻血を流します

武蔵梅軒に比べて命のやりとりになるであろう戦いの準備が出来ていないことに気づきます。釘を踏み抜いた時点で気づくべきだったと述懐します。今度は梅軒は天高く分銅を振り上げます!鎖が生き物のように襲って来ます。鎌は止めを刺すだけの武器で、鎖の動きを見切れば勝ちだと悟りますが、肝心の鎖の動きが読めません

地を這うように繰り出された分銅に左の人差し指をやられ、武蔵は4年前は刀だったはずだ、師は誰だと問うと、梅軒は「師…師か…強いていうなら」と龍胆を指さしたところでこの巻は終わります

まとめ

世の中に本物はどれ程いるのでしょうか?武蔵は武者修行も兼ね、自称剣豪達を次々と倒していきます。そこにちょっとした慢心・油断が生まれ、釘を踏み抜くという失態を犯します。それを糧に岸壁にも登り、やがて傷も治りますが、この時点で気づくべきだったと後程述懐することになります

甲斐から逃げ出した又八は、変わり果てた権叔父を見つけます。見どころがあると気にかけてくれた権叔父に嘘を付いたまま死別することになり、悔いりますがもう遅いのです。せめておばばだけには本当のことを…と思ったのでしょうが、肝心のおばばは川に落ち、瀕死の状態です

おばばは最早武蔵おつうへの憎悪のみで何とか生きているような状態です。おつうの心境はいか程のものでしょうか?

宍戸梅軒の正体はなんと辻風黄平だったのです!まだ真相は分かりませんが、どうやら本物とすり替わったのでしょうか?そして最早自由自在に操る鎖鎌、武蔵はまだ見極めることが出来ません。梅軒が師は龍胆だと言いますが、どういった背景があるのでしょうか?続巻をご期待下さい!!

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