前回までのあらすじ
日泥の母の用意した刺青人皮は実は偽物で、家が火事になる中揉め、結局尾形が先回りし先に奪い、土方に腕の立つ用心棒はいらないかい?と持ち掛けます…
競馬でギャンブルに興じる
アシリパが仕掛けていた罠にキタキツネがかかります。毛皮はお金に換金できるため貴重ですが、そもそも白石がギャンブルでお金をすらなければ事足りていたため、白石はなじられます。道中フチ(祖母)の弟の家にお世話になりますが、そこにインカラマツという女がいます
インカラマツは占いが得意で、あなた達の探し物が見つかるか占うと言い、希望が持てない、予定は中止すべきでしょうと言いますが、アシリパは信じません。しかしインカラマツは探しているのはお父さんじゃないですか?と鋭い指摘をしてきます
白石はインカラマツを連れて苫小牧競馬場に赴きます。当時の競馬は単勝式で、アナ馬券を狙います。バリミュチュエル方式による配当で、一枚5円で白石は3円しかなく、宰取を使ってお金を集めると言います。インカラマツは4番の馬が来ると占い、事実当ててしまうのです!
インカラマツは途中途中で胡散臭い占いアイテムを売って来て、白石はことごとく買ってしまいます。一気に大金を手にした白石、アシリパ達も様子を見に来ます。キロランケは馬の様子を見て3番か4番が来ると予想、インカラマツの占いも3番なので早速白石は賭けに行きます
キロランケは唐突に騎手と間違えられ、流れでレースに出る事になります。きな臭い八百長の裏側も知り、キロランケは髭を剃り白石達に俺に賭けろと言います。占いでは6番が勝つと出たため白石は迷わず賭けると言い、止められますがインカラマツが買ってきてしまいます
これで儲けられれば旅する必要もないというインカラマツですが、杉元は大金が手に入ったからといってアシリパに「いち抜けた」など言う訳がないと凄みます。八百長では6番を勝たせる事になっていますが、キロランケは無視します
レースが始まると、汚い手でキロランケは出遅れます。しかしキロランケは現在では主流のスタイル・「モンキー乗り」をいち早く試し、後方から物凄い追い上げを見せます!アシリパは馬券が一枚だけ3番に賭けてある事に気づきます
結局キロランケ(3番)が勝ち、白石の大金はキツネに化かされたかのように枯れ葉となります。キロランケは早くも髭が生えて来ています(笑)
大叔母の為にモンスター退治へ
アシリパは海岸でトッカリ(アザラシ)を仕留めます。アシリパはニリンソウを切らしており、嘆きますが、塩ゆでした肉はそれでも美味いのです
川の上流のコタンに泊まる事にする中、白石は家永が刺青の囚人が日高へ行き「ダン」という名のアメリカ人に会うと言っていたと馬を飛ばします。アシリパの大叔母に会い、トッカリの肉と皮を渡すと大叔母は涙し、代々受け継がれて来た大事なアザラシの服が義理の息子に30円で売られてしまったと言うのです
アシリパは例の馬券で5円が37円になっていたため、買い戻して来ると言います。その男は近くで牧場を経営するエディー・ダンで、交渉すると、モンスターを倒せたら30円で返すと言います。どうやらモンスターとは赤毛のヒグマのようなのです
白石の鈍くささで逃がしてしまいますが、牧場の馬も襲われ困っているという事で、アシリパは退治すると約束します。ダンは以前モンスターの爪や片目を撃っているはずなのですが、不死身が如く元に戻っていると言います
アシリパは大叔母のためにもこの話を正攻法でクリアにしたいと考えます。アシリパはとにかく糞に対して異常に好奇心を示し(笑)、ヒグマの痕跡を辿ります。キロランケは先程襲われていた馬を見つけ、連れて行こうとすると、例のモンスターに見つかります
白石は民家に向かって逃げ、キロランケの機転でベルトを蛇代わりにしてモンスターを一瞬怯えさせます。民家に逃げ込み、銃がないのでとにかく戸を塞ぐ事にします。先にいた男とは別にもう一人の男も入って来て、誰の家なのか?疑問に感じます
一方アシリパは土饅頭の馬の上でモンスターを待つと、片目がないモンスターの他にもう一匹現れ、しかも運悪く先程の鈍くさい白石のせいで弓が脆くなっており折れてしまいます。襲われた男はもう一匹には指が一本なかったと言い、どうやらモンスターは不死身ではなく、手負いのないもう一匹を加え3頭いると気づきます
男と男の愛
民家には六と書かれた生首が2つあり、どうやら八百長に怒りキロランケを追って来たようで、二人の男のどちらの仕業かで揉めます。杉元達も民家に着き、杉元が殿になりますが、銃の再装填で手間取り、例によってベルトでヒグマの動きを止めて民家に入りますが弾薬を失います
アシリパと一緒に来た男はヒグマに引きずり出され、一瞬囚人かもしれないため助けようとしますが、刺青はありませんでした。また、外からの脅威の他に例の生首の件で中も危険と言われ、先にいた男(若山)と後から来た男(仲沢)のどちらかの仕業と思われる中、杉元が手っ取り早く刺青を見せろと凄みます
結局若山が刺青があり、馬主の親分だった事が判明します。アシリパが一旦休戦を提案、外の弾薬を取りに行く者を「丁半」で決めます。念のため杉元は仲沢も脱がせますが、背中に刺青がある事に皆気づきません
仲沢は手練れで、熟練のイカサマを見せますが、バレ、二人はグルだった事が分かります。若山は意を決して外に弾薬を取りに行きますが、ヒグマの気を反らす為ベルトを外すとズボンが下がり、刺青が足に彫ってある事が判明します!
若山は弾薬を杉元に投げ、室内に入って来たヒグマを杉元が撃ち殺します。顔を痛めた杉元にヒグマの油を塗り、熊を食うかというところで杉元の勘違いから幸運にもトリカブトの毒が手に入り、武器に仕込み反撃の態勢が整います
一頭に槍を投げ込みますが、もう一頭が2階から侵入して来ます。何とか民家から脱出し、ダンのマキシム機関銃で1匹倒しますが、車をもう一匹が追って来ます。仲沢が落ち、襲われたところを若山が助け、ヒグマを倒し二人は愛し合い逝きます
杉元が刺青の皮を剥いでくると向かったところでこの巻は終わります
まとめ
今巻では当時の競馬の様子や占い等の時代を感じさせる描写が見られます。ギャンブルは何時の時代にも男達を虜にしてきたようで、現在の様に複雑な配当ではなく、シンプルなものだったようです。一攫千金を求めて「お馬さん」を慕う人達は100年前でも存在していたのですね
ひょんな事からアシリパの大叔母の大切なアザラシの服を取り返す為にダンと交渉、モンスターを退治して欲しいと依頼されます。手負いのはずなのに不死身の様に復活するという話でしたが、それはヒグマが実は3頭もいたという事だったのです
民家にいた二人は例の競馬の八百長の件でキロランケを探していましたが、今はそれどころではなく、また、若山の方が足に刺青があった事も判明、この大騒動も最終的には愛し合っていた男二人の絆で幕を閉じます
どの時代にもこういった形の愛もあったのだと感じさせます。今回初めての足に刺青があったというイレギュラーでしたが、まだまだ刺青人皮を探す旅は続きます。8巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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