おまけ
コウノドリは32巻で完結していますが、番外編という事で新型コロナウイルス編が全1巻(完結)で発売されています。今回はこちらのレビューとなります
新型コロナウイルス編①
ペルソナ医にもいよいよコロナ感染者の妊婦がやって来ます。感染症内科の牧が搬送の受け入れを申し出て来ます。コロナ感染拡大で飲みにも行けず鬱憤が溜まるスタッフ達に、サクラは事情を告げ、出来る限り接触者は少なくすると対応に当たります
コロナ患者と接触する医療従事者は、何度もシャワーを浴び、ゾーニング(レッド・イエロー・グリーン)毎に厳重な対応が必要です。カンファレンスで清水の件を話し合い、帝王切開で対応する事に決まります。サクラはコロナ以外は問題のない妊婦を帝王切開する事について自問します
オペ室は必要最小限の人手とし、個人用防護具で暑い中、帝王切開で赤ちゃんは産まれ、親子の面会もなくすぐ外の保育器に運ばれます。まだ赤ちゃんがコロナ感染しているかも分からないのです。オペを終え、防護服の脱ぎ方にも順序があり下屋はフラフラです
サクラは清水・夫とオンライン面会をし、画面越しに赤ちゃんを見せ、清水は早く会いたいと涙します。今回コロナ重症化になる恐れがあったため、早期帝王切開となった訳ですが、その対応で本当に良かったのかと小松はサクラに投げかけます
12日後清水はやっと赤ちゃんと面会出来喜びます。サクラは小松の言う通りだったと悟ります。その後清水は産後うつのスクリーニングが12点となり(9点以上がハイリスク)、コロナのせいで妊婦もナーバスになっています。24時間面会可能だったNICUも一日一時間と制限されます
サクラは新たにコロナ感染の36週の初産婦の対応を、前回の反省も踏まえて経膣分娩で行いたいと話し、牧の要請で感染病棟に助産師を寄越して欲しいと言われ、小松が志願します
新型コロナウイルス編②
経験豊富な小松は柔軟な対応で感染患者を誘導し、看護師の馬場は自身の経験不足を嘆きます。相部屋では喚く患者もおり、皆疲弊しています。小松のきめ細やかな対応の裏腹で接触が多い事を指摘され、小松はコロナを相手にしているのではなく患者に寄り添うためにここにいると言い切ります
コロナ感染の36週経産婦(日山)も搬送され、敢えて岸本と同部屋にしてお互いの不安を軽減させます。牧は帰宅後娘のルミ子から父親が医療従事者だから友達から遊ぶ事を断られた件で文句を付けます。岸本はコロナが治り、元の産院に転院します
すると日山が陣痛が来て、厳重な対応の元無事出産します。牧は帰宅後ルミ子から労われ喜びます。ここでなんとサクラがコロナ感染してしまい、感染病棟に入院します!与田は諸事情もあり倉崎に陣痛促進剤を使えないかと相談します
倉崎はサクラと電話相談し、ペルソナ医では対応出来かねるため、心を鬼にして夫婦の説得に当たります。2週間後サクラは無事退院、2021年2月からワクチン接種が始まりますが、デルタ株の猛威で危機は脱しません
高齢になればなる程重症患者・死者は増えており、オリンピックどころではありません。コロナ感染病棟に3床2部屋6人が埋まり、そこでそれぞれの妊婦に口頭面談するサクラは他の妊婦からも質問攻めに合い疲弊します。皆神経質になっているのです
前川は陣痛が来て無事出産出来ますが、山田の妻はコロナ悪化で心拍停止・必死の蘇生で何とか息を吹き返します。しかし予後も不安定で、結局山田の妻は亡くなります。基礎疾患のない若い世代でも重症化する等デルタ株が猛威を振るっています
サオリは憧れの小松の背中が見えなくなると、小松のいる感染病棟に移る決断をします。医療機関はどこも切迫しており受け入れ先すら危うい状態です
新型コロナウイルス編③
ワクチン接種の後遺症等のデマがSNS等で広がり、妊婦も疑心暗鬼になっています。副反応が怖くて敬遠する人も多い中、出来れば打つ決断をして欲しいと病院側は考えています。竹下が陣痛が来て帝王切開となる中、梅沢も陣発し、コロナ感染妊婦の分娩が2件重なってしまいます
フル動員で厳重な対応に当たりますが、竹下の赤ちゃんはスリーピングベイビーで、小松が2時間バギングし、呼吸開始、抜管出来ます。小松は過去の出来事が走馬灯のように過る中脱水で倒れ、何とか復活し涙します
院長の予想に反し、今度はオミクロン株が拡大、重症化リスクはやや低いものの、猛威を振るいます。各科が最善を尽くし対応する中、暗いニュースの中にも出産という明るい出来事も起きているとサクラは前を向き、四宮に臭いセリフを吐き、お互い健闘をたたえ合うところでこの巻は終わります
まとめ
ちょうどコウノドリが連載終了頃から新型コロナウイルスが感染拡大し世界が大混乱に陥ります。完結していた漫画でしたが、このトピックスを漫画化出来ないかと思案した結果、短期集中連載し、1巻のコミックスとして発売されました
ただでさえコロナの猛威は脅威ですが、そんな中妊娠・出産する方もいる訳で、医療現場のリアルな現状が学べる、正に今読むべき漫画です。2023年1月現在もコロナの収束目途は立っておらず、今後の情勢も全く読めません
しかし、サクラはどんなに暗いニュースがあろうと、子供が産まれるという明るい出来事もあるのだと前を向きます。困難な状況は続きますが、人はそれに立ち向かい、前を向き、乗り越えて今があります。この混乱が過ぎ去り、あんな事もあったなあと振り返られるくらいの時間が訪れて欲しいものです
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