前回までのあらすじ
一人ずつ名が呼ばれ、エドワウはシャアとして呼ばれ返事し、キシリアも気づいていません。…以上二六五名代表としてガルマが宣誓をします…
抜きんでたシャアの実力にガルマが対抗意識
U.C.0074、宇宙軍士官養成学校で運動に勉学にシャアは別次元の際立った能力を見せます。ガルマは何かと意識し突っかかりますが、シャアは屁にも思っていません。ガルマの成績は学科はAですが、実技、体育は今一つ、そんな中全科目Aのシャアにドズルは一目置きます
ドズルはギレンがMSの視察に来るという事で戦慄します。ネックは小型軽量化という事で、超小型の熱核融合炉の実用化が求められる中、実物を見たギレンはMS計画は中止だと冷淡です。すると技術顧問のミノフスキーが現れ、ミノフスキー粒子の説明と新システムを搭載した時期モデルの開発を本年度中に必ずと約束します
ギレンは思い直し、計画の続行を命じ、情勢の推移も踏まえ期間は厳守しろと釘を刺します。ドズルは首の皮一枚つながります
士官学校では重装行軍訓練が行われ、シャアは圧倒的なスピードで進み、ライバル視するガルマは必死に食らいつきます。降雨時間でしばし口論となり、ガルマは雨が止まないうちに出発し、崖下に落ちて怪我をしてしまいます。シャアは意外にも仮テントのようなものを作り、ガルマの面倒を見ます
訓練も終了時間、まだガルマとシャアが現れず、ドズルが慌てる中、落伍など出来ない、誰にも負けたくないというガルマを助け、肩を組みシャアは前進、感動的なゴールを迎えます。翌日シャアのルームメイトがガルマに変わります。顔色伺いより自身を高めてくれるシャアを選び、シャアは半分呆れます
暁の蜂起
戦闘訓練ではガルマとシャアは抜群の連携と采配をし、ドズルから高評価を得ます。軍官が総評を宣っていると、シャアが質問があると楯突き、軍官は怒りシャアを殴りバイザーが飛びます!他の士官候補生はこの状況に校規違反じゃないと迫り、ガルマが改めてバイザーを拾えと進言、軍官は拾わざるを得ません
セイラは医者の卵となり、聡明な女性に成長します。久しぶりに墓参りをして、キャスバルが本当に死んだのかまだ信じられないようです
成績発表があり、ガルマが主席となります。ガルマは例のバイザー事件をわざと起こし、自身の株を落としガルマが主席になるように仕向けたのか?と照れると、シャアは大笑いします。シャアは小天体の軌道に危険なものがあると一早く気づきます
卒業式でドズルの演説が続く中、シャアの危惧した小天体はズムシティーに落下、コロニーは被害を受けます。デブリの回収作業に追われる中、シャアはガルマから初めてMWの存在を知ります。この事件で農業ブロックに打撃が起き、議会でも連邦からの独立気運が高まり、デギンはギレンに煽らないよう釘を刺します
デギンは独立や戦争には懐疑的で、事を荒立てるなと慎重ですが、ギレンはアジテーターとしてこの10年間聴衆を煽って来たのです。シャアはガルマにこの機に連邦軍兵営を攻撃するよう進言します。シャアは用意周到に作戦を考案、ドズルには内密に事を進めるよう仕向けます
作戦決行の夜、元同部屋のムラタがシャアにヘッドギアをプレゼントし、以後彼のトレードマークになります。ガルマは同士に檄を飛ばし、勇ましく出撃します。この際ドズルにゼナ・ミアが面会し、足止め作戦を敢行、扇動したのがガルマだと知りドズルは驚きます
シャアとガルマの見事な連動で作戦は成功、遅れてドズルが到着し、ガルマを叱るどころか、心配して泣き抱きしめます。この一件は’’暁の蜂起’’と呼ばれ、ガルマは一躍ヒーローとなります。連邦側にこの件についてしかるべき対処を取るが、連邦とジオンの新しい関係を築けないものか?とデギンは提案します
パレードから戻ったガルマは兄妹の中で一番気性が優しい事もありデギンは寵愛します。シャアは予備役編入とされ、一兵卒に格下げとなりますが、この機会に地球に行ってみるとドズルに話します。また、再招集される事があればMSのパイロットの任に当てて欲しいと志願します。更にゼナ・ミアとも面会したドズルは、自身の子を産んでくれないか?と懇願します
連邦側もMS開発計画を推進
ジャブロー計画推進指令本部ではゴップとテム・レイがジオンのMS開発の情報をキャッチし、テム・レイを新規計画の技術トップに抜擢します。ゴップはサイド7を恒久設備としてあてがいます。シャアは地球行きの船に乗り込みます
テム・レイは自宅に帰り、アムロにまた宇宙に行くぞと告げます。アムロは驚き、ハロにまた宇宙にいくんだって…と話したところでこの巻は終わります
まとめ
士官学校では抜きんでた成績を見せるシャア、ザビ家の御曹司として厚遇されているガルマは異様な対抗意識を燃やします。重装行軍訓練の一件からガルマはシャアを自身を高めてくれる存在として重用し、傍に置く訳ですが、これはお互いにとって有益だったようです
シャアはガルマを上手く利用し、最終的には’’暁の蜂起’’を起こさせます。ザビ家の御曹司としてカリスマ化されていたガルマを扇動する事で、シャアはブレーンとして暗躍、事を成し、ガルマは一躍ヒーローとなります
シャアは結局予備役編入となり、今回の結果が望んだとおりになったのかは謎ですが、もし世界情勢までも見越して事を起こしていたとなると、末恐ろしいものがあります。ドズルに再招集される際はMSのパイロットを希望すると告げ、先見の明を見せると共に、後に赤い彗星と呼ばれる伏線も回収されます
地球に向かうシャアと、逆に宇宙へ向かうアムロ、それぞれの時を過ごし、まだまだこの長い回想は続きます…12巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
おまけ
安彦良和 機動戦士ガンダムTHE ORIGIN展という巡回展示会がところざわ、福岡、金沢、福島で開催されました。本レビュー著者は福島展に参加し、その大迫力かつ緻密な安彦良和先生の筆致に大変感動しました
ナイトミュージアム安彦良和氏ギャラリートークというイベントもあり、私は残念ながら落選してしまったのですが、テレビでもその内容が紹介され、安彦良和先生自ら参加者の前で漫画を描く場面も見られました。生の漫画家さんに逢えるイベントは本当に貴重ですし、なかなかチャンスは少ないですが、近隣で展示イベント等あった場合は是非現地に行く事をお勧めします!
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