前回までのあらすじ
ガンダムは最早制御不能で大気圏に降下、誰もが諦めた中、ホワイトベースが地球上空に到着すると、何とガンダムの通信回路が生きており、単独で大気圏突入出来てしまうのです!シャアがガルマに報告し、ガルマがガウ空母でお出迎えするかと意気込みます…
ガルマ率いる空戦隊との交戦
地球には着いたものの、ジャブローへの道は困難を極めます。するとガウの編隊が現れます。ガルマはコムサイを収容し、シャアと落ち合います。一連の動向を説明し、ガルマが男ぶりを上げさせるためにシャアがお膳立てしてくれたのだろうと言うと、シャアは笑います
アムロはフラウに急き立てられ渋々重い腰を上げます。リュウは相手が戦闘機なら活路はあるとブライトに話します。ガルマ直々の出立で、ガルマはシャアにザビ家の御曹司としての気苦労を漏らします。頭上をガウに抑えられているため、ホワイトベースは低空飛行し地形を利用して航行するしかありません
ミライの操縦に呆れたリードが指揮を代われと言って来ますが、ブライトは気丈にパオロ艦長に託されたのだと譲りません。敵機に視認され、ブライトはアムロを急かしますが、アムロは大気圏突入の件がトラウマで戦う勇気が湧きません
ブライトはアムロを二度も殴り、アムロは「親父にだってぶたれたことないのにィ!」と喚きます。ブライトはそれだけの才能があればシャアだって越えられると言い去ります。ガンダムが使えない中、リュウは作戦通りガンタンク・ガンキャノンで対峙し、ドップとの戦闘に入ります。アムロはフラウに叱咤され、やっと重い腰を上げ、デッキに向かいます
アムロは地上戦という事で冷静にショルダーキャノンを換装して貰い、ランドセル全体のバーニアの水力は150%アップします。リュウ達は善戦しますが、いかんせん敵機が多過ぎてタンクも1機やられます。行き止まりで上の大地に上がると、そこにはマゼラアタックが待ち構えています!
対戦車ということで、今度はハヤトの出番です…主砲で仕留めていきます。アムロは細かい注文を付け、実体弾の方が有効とバズーカで出撃、地面から上空に何度もジャンプしながら空中戦で無敵の強さを見せ、ドップを蹴散らしていきます
苦戦しているリュウのところにもガンダムは現れ、キャノンでマゼラアタックを一蹴、流石のガルマもその強さを認めざるを得ません。ガルマは一矢報いようとガンダムに向かいますが、かわされビームサーベルで羽をやられ、無線連絡しますが通じないのです(シャアが無線を切っていたのです)
アムロとフラウのすれ違い
今回の被害状況は馬鹿にならず、アムロも疲れ子供達の相手も出来ません。ガルマは管制官の職務怠慢だと怒りますが、シャアに宥められ矛を収めます
ロスのホテルでシャアがシャワーを浴びているとガルマが部屋に現れ、市長・エッシェンバッハの噂話をし、シャアがガルマのザビ家の御曹司という立場も理解した上で進言してくれる事を感謝します。野戦病院と化したホワイトベースでは、リードがガンダムの抜群の攻撃力を活かして打開せよと煩いです
アムロに気を利かせて食事の配慮をするフラウでしたが裏目に出てアムロは退散してしまいます。その様子を見て避難民はフラウを盾に取り艦から降ろしてくれと迫ります。最早避難民の不満も限界なのです
プールでは泳がないシャア、紫外線が強すぎる、特異体質でやっかいな血を引いて生まれてしまったとこぼします。そこにイセリナ(エッシェンバッハの娘)が現れ、ガルマは恋人同然の素振りを見せます
造反者の数が増える中、ミライは彼らを降ろしジオンに一時休戦を提案すれば?と話し、ブライトは応じます。シャアは却ってチャンスだと感じますが、ガルマが自身の獲物だ、とっておけと気丈です。ガンペリーに避難民を乗せ、開放すると見せかけた作戦である事はまだ一部の人間しか知りません
ガンペリーに揺られながら、人質だったフラウの事が本当に心配だったかとアムロに問うと、素っ気なく返されたため、フラウは意地になりルッグンの兵士に色目使いします。流石のアムロも気にしますが、フラウはジオンなんか怖くないと強情です
ガンペリーから白煙が上がり、ミード湖の手前の岸に不時着します。ザクに乗ったシャアは不審がり、ガルマは対岸で待ち構え、ホワイトベースとジオンとの騙し合いが始まります
騙し合いの先で…
避難民がボートに乗り湖を渡る中、ホワイトベースからはMSが出撃、その後方からシャアザク達が現れます!予定より早く戦闘が始まり、ガンペリーからガンダムとカイのガンキャノンが出て来て、騙されたルッグンはガンダムに撃破されます
散らばったら蜂の巣にされると悟ったリュウ達は固まり連携して対処、シャアはホワイトベースの前方にザクを向かわせると更に後方からガンダムが射撃して来て、シャアは「やるようになった!」と感嘆します
対岸でガルマ率いる隊が待ち構える中、MS戦が展開されます。ガンダムとシャアザクは死闘を演じます。我慢しきれなくなったホワイトベースがミード湖を渡り始め、ガンダムは性懲りもなくシャアザクに戦いを挑みます。その無鉄砲な戦い方に、シャアは一目置き未熟だが勇気があるヤツだとある程度認めます
ガンペリーを収容しようと進むホワイトベースの前にミデアが現れ、対岸にはジオン軍が待ち構えていると伝え、危機を脱します。マチルダは的確に補給を行い、機密事項を扱うホワイトベースが決して連邦に見捨てられているのではないと説き、アムロにあなたはエスパーかもしれないと声を掛けます
アムロがマチルダに好感を持ち、敬礼するとその先でフラウが嫉妬するところでこの巻は終わります
まとめ
流石のアムロも大気圏突入の一件がトラウマで戦う事を躊躇します。この辺THE ORIGINは少年アニメの主人公らしい勇敢さというより、思春期の男の子らしい心の揺れを巧みに描写しており、より現代的な主人公像となっています
それは後半のフラウとの心のすれ違いにも表れています…いつまでもボーイフレンドとして幼さと親しみを感じているフラウに対し、アムロは冷静に現状を受け入れ、大人の階段を登っており、ここにすれ違いが生まれるのです
戦術的には、ガウの編隊との空中戦をアクロバティックにガンダムが躍動し、その圧倒的火力で一蹴してしまいます。ここでシャアのガルマへの対応が一つ伏線としてあるため覚えておきましょう。避難民の不平からミライの提案により一時休戦を申し込むホワイトベースですが、それも上手い出しに使うのです
ガンペリーには実はガンダムが収容されており、本丸・ホワイトベースを急襲してくると分かった上で別動隊として出撃させた事は巧妙で、流石のシャアも認めざるを得ません。シャアとしてはミード湖の対岸に伏せてあるガルマ隊に美味しいところを持って行かせる手筈でしたが、ミデアの登場でホワイトベースは事なきを得ます
颯爽としており、知的で美人なマチルダにはクルー全員が惹かれます…この事がアムロとフラウの単純な幼馴染という関係性をより複雑なものとしていくのです…4巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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