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前回までのあらすじ
ナナは夜ヤスと外で落ち合い、地元でレンと別れてからこの2年半の間にレンとの絆よりヤスとの絆の方が強くなってしまった気がすると感じます。レンを好きな気持ちはずっと変わらないのに…奈々とタクミが産まれて来る子供の名前を思案します…
ナナが過換気症候群発症
奈々はノブから話がしたいとメールが届きますが、返信出来ません。奈々はタクミを実家に招き、皆からの評判も上々です。イギリス土産を渡し、バンドは人気商売なので、いずれ裏方に回ると現実的な面も見せます
ナナのボーカル撮りも終わり、レコーディングも終了、皆で釣りを楽しみます。タクミは奈々の家族の賑やかさを羨ましがり、自身の家族については暗い影が見えます。トラネスも収録が終わり、皆寝入る中、レイラはレンの煙草から薬らしきものを見つけ、トイレに流します
ブラストも合宿が終了し、所属事務所の寮に入ります。住人が事務所のタレント限定という事ですが、完全個室制で門限もなく、部屋は簡素なので銀平はいい暮らしがしたかったらのし上がってみせなさいよと発破を掛けます
ノブは隣人に挨拶に行くと、AV嬢の香坂百合がおりびっくりします。盛りのノブに危険を感じたナナは部屋を替わりますが、ノブとの作戦(ハチ公を取り戻す)は既にノブが諦めており、奈々とどこでどう繋がっていればいいのと過呼吸に陥ります
美人の別の隣人(ミュー)がそれは死ぬ程苦しいのに絶対死ねない生き地獄だと言い、慣れているようで紙袋と対処法をノブは教わり、救急車は呼ばず銀平に車で顔馴染みの医者の所へ連れて行き、予想通り過換気症候群と言われます
紙袋はペーパーバック法として上手く活用され発作が治ったのです。身体に異常は見られず、ストレス性のもので専門外だから精神科を紹介すると言われ唖然とします。トラネスは帰国しても大忙し、ブラストもデビューに向けてハードスケジュールです
歌番組で共演
多忙は却って気がまぎれ、メンバーは忙殺されます。寮のランドリーでミューと一緒になったノブはナナの過呼吸について相談しますが、過剰反応は避け、普通に接するべきと言われます。ミューは台本を読んでおり、売れない女優なのです
2001年10月10日新宿午後7時、ブラストはゲリラライブを決行します!奈々も遠くからその様子を眺めます。ライブは成功します
ノブはミューと仲良くなり、ナナは部屋を替わった意味がないと感じつつ、これ以上ノブに報われない恋を強要出来ないと感じ、大事な仕事もあるので過呼吸の対策に余念がないです。夜のテレビの歌番組では何とトラネスとブラスト同時収録なのです
ヤスはレンに薬の件を注意します。ナナといい、お互い依存体質なのです。レンにおれやタクミとは違うんだ、理屈で物を考えず自分の思うようにやれと忠告します。トラネスのシングルをいきなり80万とは冒険だと言うタクミですが、おれがガイアの人間ならブラストのデビューCDは初回100万で勝負に出ると豪胆です
撮影の合間シンは車で休むと言い、ナナの個室にはレンがいます。久しぶりの再会ながら、こんな人の目を忍んでしか会えない身に嫌気が刺すナナ、するとレンが「結婚して」と言いキスをします。ノブはミューの撮影現場に行きますが、実はミューが7つも年上だと分かり一気に引きます
レイラはシンと誕生日と血液型が一緒で運命だと感じ抱き合い、ナナとレンも同様に抱き合い、死ぬときゃ一緒だとナナは首を絞められながら昇天するという異常性を見せます。ナナはヤスが人畜無害なのはナナがレンの女だからで、レンとヤスの絆が固いからなのです
改めてトラネスとブラストの面々は顔合わせをし、ナナも初めてレイラと会い、その美しさに目を奪われます。白金宅に淳子を招き、料理上手になった奈々は人に作ってあげて喜んでもらうのが好きなのだと話します。淳子はナナのおかげだねと話し、奈々が前より地に足がついていて幸せそうだと伝えます
奈々と章司の再会
歌番組のリハのMCではレンがナナにおれの事どう思ってんのか聞いてくんない?と話し、司会者は是非お聞きしたいと声を揃えナナは「ハモるな!」と突っ込みます。奈々は淳子とテレビに釘付けになり、最早タクミどころの騒ぎではありません
ブラストは営業トークも程ほどに、演奏は熱演し、ナナはぶち壊してやりてぇなあなんか何もかもと気張ります。とあるお好み焼き屋でナナの話題になり、おかみさんがちょっとナナに似ていない?と客に言われ冷や汗をかきます
ナナは番組中にレンとの結婚を決意し、お互い事務所に確認する事になります。奈々は番組を観終えると、何故か章司の話題をし、ノブが自身と同様悩んでいるのではないかと話します
ブラストメンバーは麻雀が好きという事で、ミューと百合と麻雀をし盛り上がります。すると多摩川で今度夏に台風で流れた花火大会があるとメールが来て、ブラストは「6時に707号室集合」と決意します。奈々はあの夏の日に戻って明るい未来へのシナリオを一緒に書き直そうと涙します
ノブは奈々が幸せなら人の幸せを奪ってまで奪い返したくはない、でも寂しそうにしてるならやっぱりほっとけないと難しい心境です。銀平に無理を言って雑誌の取材を延期にし、晴れて花火大会に行けます
奈々は産婦人科受診後ジャクソンバーガーに行くと、そこには章司もおり、久しぶりに顔を合わせます。相変わらずのノリで話が弾みます。レイラはタクミがレンの結婚について寛容なのは、ナナにレンの薬の件も含めて押し付けられるからかと問いますが、タクミはそれは話が別だと取り合いません
成田はレンとナナの会見を開くと話し、ブラストの方が今は勢いがある為、レンに恋人宣言させてトラネスがブラストを売ってやったんだって印象を世間に与えようという腹です。今同時にタクミとレンの結婚話が浮上するのは得策ではないと感じたタクミはレンの方を優先させるつもりです
章司は正直に謝り、やはり奈々と話しているのは楽しいと感じ、だからもう会わない、前科者は自重しなきゃなと口にします。二人は笑って別れ、章司は今思うとおまえのわがままなんかどれもたいした事じゃなかったのにな…と別々の道へ向かいます
ブラストメンバーが707号室で変装して奈々を待つところでこの巻は終わります
まとめ
プロモーションの一環としてよりによってトラネスとブラストが同じ歌番組に出るという事で、複雑な人間関係の中、各々密会もし、レンはついにナナに「結婚して」とプロポーズします。ここまで大事となって来ていることや、レンの薬の件も含め、愛し合っている二人が堂々と結婚生活を送るべきなのです
とはいってもミュージシャンに恋愛沙汰はご法度のようなもの、熱心なファンがどう思うかはまた話は別です。特にタクミも奈々と結婚予定の為、特に有名人二人に先に結婚させ、奈々は一般人の為、タクミは少し控えるという大人の事情を感じさせます
今巻のその他のトピックスと言えば、何と言っても奈々と章司の再会でしょう。章司の浮気が原因で別れたものの、お互い通じ合うものがあるのか、今まで通りのやり取りにはホッとさせられます。恋人と別れるという事は辛い事ですが、何事も後腐れなく次に向かいたいものですね
延期になった花火大会が無事開かれ、奈々達は約束の707号室で会う事はできるのでしょうか?12巻に続きます…
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