前回までのあらすじ
こりゃ勝てないやと会心の高座で終わり打ち上げでは酒も入り泰全饒舌・朝がお泣き上戸です。ちょう朝も続き推薦の前祝いも兼ねパーッと踊りどんちゃん騒ぎ、徹は朱音に落語を捨てた人間としてただ懐かしく悔しかったと本音を漏らし楽しそうな朱音を落語家になったなと評します
志ぐまと三禄は料亭で今日のあいつらみてえに戻れねえもんかなと語らい過去が一生を縛る限り敵わないものの先代”志ぐま”=柏家生禄の芸に朱音は似ていると評し託したくなると…後日朱音の元に兄弟子達が現れ飲み会だ、まいけるが来月破門騒動以来の真打昇進試験に挑むと亨二が語ります…
まいけるの真打昇進試験も完全アウェー
”真打”は落語家最上位の階級で寄席で主任で出る資格を持ち弟子を取る事も可能です。独自の昇進基準を持つ阿良川一門は”芸を極めし者”のみ認めると他より厳しく例の破門騒動で拍車が掛かり大看板クラスの腕前が必要です。その”高み”に挑むのが軽いまいけるで心配になります(笑)
朱音はまいけるの仕事の手伝いで高座で歌や傘回し、三味線に長唄と結局一回も落語演ってなく心配すると決めてるんだ、”見せたい”より”見たい”を選ぶってねと素っ気なく、志ぐまから我慢できてるか?問われストレス溜まるもこれでも本気なんでねと何かあるようです
鶴花も現れまいける真打昇進試験当日、チケ倍率19倍という凄い注目度です。合否を決めるのは審査する党首と四天王の多数決、全生は一剣・泰全・一生の事を鑑み楽しい遊びになりそうだとしたり顔です。阿良川一門の中枢を担うお歴々4名と客席の皆様で審査です
全生は敢えて一生に振り、やる事は前と変わらんとこの緊張感にあの事件が過ります。散々煽られまいけるは人が笑える空間じゃないアウェーここに極まれりの中高座に入り、長唄で冷え切った場を温める肚ですが小手先の安い盛り上げじゃあ客はノりません
軽いまいけるがアニキの得意だった人情噺で真打へ
ここでまいけるは歌う様に語る事で”音”としての耳心地に特化した芸= “唄い調子”で攻めますがウケず全生は同じタイプだから何をされたら嫌なのか分かるとゲス顔です。尚も軽さで攻めるまいける、朱音は寄席でなら絶対ウケてるのに…と空気は変わりません
唄にギャグ、散々入れ事して膨らませてるけどこの演目は人情噺「たちきり」でこぐまはまいけるは元々バリバリの技巧派で天才的レベルだったと評します。本来なら魁生並の早さで二ツ目昇進してたであろうまいけるは例の一件から今の芸風に変わります
志ぐまはまいけるが志ん太のヤツに懐いていたが破門後もう…一番弟子ですからと高座に上がれば己を捨て客席に尽くし時に自分の事すら省みず弟弟子達に目をかけもう十分だと感じます。まいけるは己の芸に徹する時、なりますよ真打、アニキの得意だった人情噺でと気張ります
厳しい審査も潜り抜けまいける真打昇進決定!
僅かながら客席の空気が変わり高座こそ明るく陽気だが素の顔を見せないプロ意識の高い落語家の剥き出しの激情に圧倒されます。与えるばかりと思っていた日々は与えられる日々でもあり軽薄→喪失→再生の人生から執拗なまでに見せた序盤の”軽さ”が今後悔の念を際立たせます…陰陽自在です
鶴花の鳴り物が花を添えこれはケジメだとまいけるは人情噺に嘘は要らない、噺を心根を乗せて語りあの全生涙です。「たちきり」を演り切り全観客が涙、ひっくり返してしまいます!芸の幅・奥深さに樫尾は大看板に届き得ると感じます。審査に移ると一生は足らんなと手厳しいです
今日の高座…まあ悪くない、掴めてはいたが幾らか取り零したと俺は認めないのです。一剣は目ざとく俺はという点に注目し審査員一人一人に振り全生は苦渋の末唇を噛んで認めます。一剣・泰全も倣い結果一生は好きにしろと賛成多数でまいける真打昇進が決定する所でこの巻は終わります
まとめ
落語家が真打に昇進する事の難しさが語られた今巻、あかね噺では特に破門騒動の件でそれがより一層ハードル高く、軽いまいけるには無理ゲーに思われました。しかし本質は人情噺「たちきり」をより際立たせる事になり正に大番狂わせが起こります!
この緻密に練られた構成には唸らされますし、ジャンプ漫画特有の困難の末に栄光を掴む王道が記され非常に爽快です。あのまいけるが志ん太の事を想い敢えて人情噺を選んだ点も評価すべきでしょう。全生が唇を噛んで涙ながらに認める件最高でした
相変わらず堅物な一生でしたが、俺は認めんと他に譲る等意外な一面も見せ時が彼を変えたのでしょうか?こうなると1巻の志ん太破門騒動が当時どれだけ衝撃だったかも垣間見え、あかね噺が本当に練られた良く出来た物語だと納得しますね…14巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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